神様の定食屋/中村颯希

両親と娘で営む定食屋。 

ある日、両親が事故で亡くなってしまう。

両親の残した定食屋を継続しようと奮起する娘に、

脱サラして手伝う兄である主人公。

家族の中で自分だけ、全く定食屋に関し「蚊帳の外」だったので、

何をやってもうまく行かない。

妹と喧嘩し店を飛び出し、訪れるひと気も無い寂れた神社。

そこで、運命的なことが起きる。

神様が出てくる小説って、どうなのよ? 少し設定に無理が有るのではないか。そんな風に思い読み進めましたが、結構ウルウルさせられる内容でありました。

こんな設定です。

神社に行ってお願いすると、神様がそのお願いを叶えてくれそうな人(魂)をチョイスして、主人公にその魂を注入する。故人が生前果たせなかった事を、残された人に「料理を振る舞う」という形で実現していく。

文章で書くとすごく強引な感じの設定ですが、

油断すると涙が溢れ出すような、感動モノです。笑

「魂が乗り移る」という出来事を何人か繰り返しますが、

途中から神様が友達の様になってきます。笑

神様が酒好きなのを気付いてからは、酒で神様を釣るような感じも非常に笑えます。

コミカルで更に泣ける。

とても楽しめる1冊でありました。

10th in August / 221th in 2022