悪い夏/染井為人

第37回横溝ミステリ大賞 優秀賞受賞作。

お見事でした。笑

主人公は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。

同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、

受給者の女性と肉体関係を迫っていることを知る。

真相を確かめようと女性の家を訪ねるが、

その出会いをきっかけに主人公も悪に染まって行く。

私自身、生活保護受給者が登場する小説はたぶん初体験。

登場人物の背景や様々な日常がリアルに表現されており、

大変引きこまれる内容でありました。

全ての状況が奈落に落ちるがごとく、

どんどん悪い状況になっていく。

生活保護の不正受給。

よくメディアで取り上げられている。

この小説はフィクションなのでもちろん大袈裟ではあると思うが、似たような出来事は世の中に実際存在するのでは無いか。

生活保護を擁護するための医師。

受給者に様々な要求をするケースワーカーという名の行政マン。

受給者を利用しようとする反社。

人間をコントロールするために利用する薬物など。

様々な人々が絡み合い「悪のスパイラル」に落ちて行き

ハッピーエンドとは程遠い結末。

おもろ過ぎた。

そして真面目に普通に頑張ろう。笑

そんな風に思わせてくれる1冊でありました。

3th in July / 183th in 2022