震災風俗嬢/小野一光

震災から8年にも渡り、被災地の風俗について取材して書かれた本書。

震災の悲惨さや悲しみ。苦悩。奮起など。

その様なことが描かれている本も沢山読みましたが、

違う視点で震災を感じさせてくれた。

そんな1冊でありました。

震災後は客の数は急増したという。

世間では全国から集まった建設業者の

破天荒ぶりの象徴の様に言う人もいましたが、

実際は震災で奥さんや子供を失った人たち。

どうしたらいいか分からない。

癒してもらいたい。

自分の思いを語る相手もいない。

そんな人達が、風俗に来ることが多かったという。

風俗嬢本人も風俗という仕事は

家族を失った悲しみを癒やし、

それらの出来事を他人に聞いてもらえる。

加えて自分の前に訪れる客が震災で与えられた

悲しみや苦悩。それを受け入れることで

元気になって日常に戻る人がいる。

自分の仕事に有意義さを見出したという。

もちろん、こういう本なので、

少しエッチな話は登場するのだけれど、

昔から歴史的な場面で、

女性が影で社会を支えているのでは無いか。

そんな事を考えさせられる。

いろいろな視点で語り継がれる震災。

いろいろな本を読んで見たいと思わせる。

そんな読書意欲を掻き立ててくれる1冊でありました。笑