金正日の料理人/藤本健二

北朝鮮で料理人を探している。
そんな誘いを受け入れ北朝鮮に渡る著者。
何回か金正日に寿司を始め色々な料理を提供。
大変気に入られて待遇もどんどん良くなっていく。

ある日乗れと言われて渡されるメルセデス。
かわいい女をあてがわられる。
それは藤本を北朝鮮に残すため。
日本に残した妻と別れるために工作される。
結婚する条件にあるパスポート没収。笑

過去に読んだ北朝鮮関連の本によくあるような
一般市民の貧困する生活には全く触れていない。

金正日、贅沢三昧の生活が描かれています。

プールのついた専用の船があるという。
プールの大きさは長さ50m幅15m。
前と後ろには高さ10mのウォータースライダーまである。

宴の席で登場する札束。
コニャックを一気飲み出来たら
お金をもらえるのだという。

あれが食いたい。そうなると、
著者を海外まで買付しに行かせるのだという。

贅沢な話は数限りなく登場しています。

そして著者と金正日の親密な関係も綴られています。

象徴的なエピソード。

著者が酔ってぶっ倒れてしまった結婚式。
寝ている間に「チンコの毛を全部剃られた」という。
どこに行くにも料理人として同行し、
他の幹部とは一線を画す親密さが感じ取れることが出来ます。

そして若きし日の「ジョンウン王子」
ジョンウン王子の優しさが見に染みて
涙が出そうになるほど感激した。
そんな記述はありましたが
残念ながら「髪型」に関する記述はありませんでした。笑
あの髪型の子供だったらメンコそうです。笑

北朝鮮関連の本は何冊か読みましたが、
これほどリーダーを身近で感じ取れる
本は多分無いでしょう。

面白いエピソードもたくさんあって
たいへん楽しめる本でございました。