椿ノ恋文/小川糸

 本書は著者の「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」に続く「ツバキ文具店」シリーズの第3弾です。もちろん、どちらも読了済みです。ツバキ文具店は、小川糸さん初読書でしたが、ハマって3冊はもちろん、すでに「小鳥とリムジン」というやつも読了済みです。すっかり、ファンになってしまいました。(笑)

 ツバキ文具店の店主である鳩子が夫のミツローさん、義理の娘であるQPちゃんが軸になって進む物語です。

 前2作を通して、鳩子とミツローは結ばれるんですが、きっかけはQPちゃんから始まります。ミツローさんの妻になることより、QPちゃんのお母さんになれることが嬉しかったと、そんなクダリがあったんですが。

 本書では、QPちゃんは反抗期っぽくなってしまいます。最後には種明かしがあるんですが、QPちゃんと鳩子の出会いを知っているものとしては、とても鳩子の気持ちに同情してしまう、そんな内容でありました。

 ツバキ文具店は、文具を売るのはもちろんですが「代書」という、サイドビジネスをしています。そんな依頼から始まる様々な人とのつながりや、多種多様なエピソードなど。対象の相手に手紙を代わりに書いてあげて、問題が解決してちゃんちゃんと、とてもハッピーエンドなんですが、とても色々と考えさせてくれました。

 印象的だったのは「同性愛を親にカミングアウトする手紙」と「妻から夫に車の運転をしなければ離婚するという手紙」だろうか。

 最近、垣谷美雨さんの「うちの父が運転をやめません」を読んだアウトプットをしたら、それに反応して、小説を購入し私にこれでもかと、長文の感想を送って来た友人がおりました。(笑)

 その感想を送ってくれた友人が、ここまで読んでいるとは思いませんが、父に運転をやめさせたければ、母から真摯な手紙を送り、離婚で脅すという方法があるので、本書も読んでも良いんじゃね。それを提言しいい加減なアウトプットでやめておこうと思います。(笑)