キラキラ共和国/小川糸

 最近はさっぱりアウトプット出来ていません。著者の作品を、読む方ばかり優先してしまう、そんなパターンです。(笑)本書は『ツバキ文具店』の続編です。実は結構前に読みました。

 舞台は引き続き、鎌倉の閑静な住宅街にある小さな文具店「ツバキ文具店」。主人公の鳩子(通称:ポッポちゃん)は、店主として文具の販売だけでなく、他人の手紙の「代書」を請け負うというユニークなサービスを提供しています。

 このサービスを通じて、さまざまな人々の心の内側に触れ、温かなつながりを紡いでいきます。物語は、前作の終わりから数年後。鳩子は、常連客の建築士・ミツローさんと突然の結婚を報告し、幸せな新生活をスタートさせます。

 ミツローさんの連れ子である5歳の女の子・QPちゃんが加わり、鳩子は母親代わりとしてQPちゃんとの心温まる交流を深めていきます。一方、ツバキ文具店には相変わらず、依頼者が次々と訪れます。

 夫婦間の謝罪状、憧れの文豪への手紙、亡くなった大切な人への最後のラブレター、友人への借金の清算状など、人生の喜びや悲しみ、葛藤を綴った手紙が並びます。鳩子は依頼者の心情に寄り添いながら、一枚一枚を丁寧に書き上げ、時には依頼者の心の闇を照らす「キラキラ」の魔法のような言葉を添えます。本作では、鳩子の日常だけでなく、ミツローさんの前妻・美雪さんの影や、QPちゃんの無邪気な視点が織りなす家族の絆が描かれます。

 常連のバーバラ夫人、男爵、パンティーといった個性豊かな面々も再登場し、鎌倉の街角で交差する人々のエピソードが、優しい光を放ちます。タイトル『キラキラ共和国』は、心の暗闇に光を灯す呪文「キラキラ、キラキラ」を象徴し、誰もが互いを認め合い、愛し合える理想郷のような世界を表しています。

 全体を通じて、小川糸さんらしい繊細で心温まる筆致で、日常のささやかな出来事から生まれる「人とのつながり」の美しさが、静かに胸を打つ一冊です。シリーズ第3弾『椿ノ恋文』への橋渡しとしても、読後感の爽やかさが魅力です。

 と、AIがあらすじを書いてくれたので、これをアウトプットとしようと思います。シリーズ第3弾『椿ノ恋文』も実はもうすでに読了済みです。(笑)