問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい / 早見和真

 小学6年生の十和は、家族の幸せの形がよくわからない。楽しい母、新しいお父さんと、

連れ子のかわいい妹。どうして心がこんなに動くのか。

 苛立つ十和に対して、母はなかば強引に中学受験を決める。このわだかまる気持ちをぶつけられるのは、LINEで繋がる「あの人」。本当に父だけ。

 この家から逃げ出したい。その思いは大阪で一人暮らす祖母へと向かい、十和は大阪の私立中学に進む決意。4人が離れて暮らすことに父は反対するが、あることを条件に十和の希望を受け入れる。

 バラバラになりそうな一家は、この問題を解決することができるのか? 中学受験を通して家族の成長を描くとても感動する物語でございました。

 本の表紙をよく見ずに読み始めましたが「店長がバカすぎて」シリーズの山本猛店長が帯を書いています。「当店いち押しの感動作。私も大活躍しております!」確かに店長が本作の中で出てきました。

 続編という感じではありませんが、本書はスピンオフなんだと気づいてから、また最初から読み直し、十和が「店長がバカすぎて」に登場する女の子だと、気づいてからはとてもすんなり頭に入って来る感じでございました。

 「店長がバカすぎて」シリーズの主人公の谷原さんや、大西先生も出てくるので、本書を読む前に「店長がバカすぎて」シリーズを読了してから読むのを強くおすすめします。


 本の題名にある「家族の幸せ」というキーワード。中学受験をする女の目線で描かれる、そんな物語の中から、様々な幸せのカタチがあるということを、とても考えさせられる、そんな感動の物語でございました。

 著者の早見和真さんの本を読むの「アルプス席の母」に続き「店長がバカすぎて」シリーズの3冊。そして本書で5冊目ですが、すっかりファンになってしまった印象です。違う本も読んでみようと思います。