さらば! 店長がバカすぎて/ 早見和真

 Amazonの紹介文はこんな。

 カリスマ書店員・谷原京子は、長いスランプが続いていた。そんな中、「おもしろい本の話と店長のグチを言い合える」唯一無二の元同僚・磯田さんの結婚式が行われた。京子の心配をよそに、マイクを握りしめ、颯爽と燕尾服を脱ぎ捨てた山本店長が高らかに歌う。

 その一週間後、磯田さんが京子を訪ねてきた。「谷原さんにはこれからもちゃんと戦い続けてもらわないと困るんです、書店を守ってもらわなきゃ」という彼女の言葉に、京子は複雑な気持ちに駆られる。

 ぶっ飛んだ店長や書店を取り巻く厳しい状況と日々闘いながらも、自らの人生と書店の未来を切り開いていこうとする京子だが……

 前作もそうでしたが、本を愛する登場人物たちで繰り広げられる、本の素晴らしさを語るたくさんのエピソード。このデジタル化に台頭されつつある、リアル本屋さんはこれからどうすれば生き残れるのか。

 私はほとんど紙の本は読まないので、少し罪悪感を感じてしまいました。本屋にたまには行きますが、次はどんな本を読もうか、選択肢を探しにいくといった感じで、みつけた本をKindleで探して読むという、もう本屋さんからしたら最悪なお客さんでしか無いでしょう。(笑)

 店長が会社をやめて行くところと、主人公が結婚を申し込み、転勤する場所の設定にすこし無理があるような気がしましたが、とりあえず、読書をする人にはとても胸に刺さる作品だと思います。

 あと、試験問題で出た問題を解決できなくて、その本を読み、それでもわからなくて、その著者が本屋さんに来て、直接質問できるなんてお話がとても素敵でありました。

 2020年 『店長がバカすぎて』 本屋大賞にノミネート。2022年 『新! 店長がバカすぎて』 2作品で50万部。2025年夏 シリーズ最高の笑いと感動 至宝の第3弾! まさかの完結!? と、本の紹介には書かれていますが、まだ続く匂いがプンプンします。三作ともとてもおもしろかったので、次に期待しようと思います。