1985年の無条件降伏 プラザ合意とバブル / 岡本勉

 本書は2年前に読みましたが「書いてはいけない/ 森永卓郎」では「プラザ合意」が日本の重要な転換点であることを主張していたのを、思い出して手にとってみました。

 森永卓郎氏は、プラザ合意が日本の経済衰退のきっかけ になったと主張しています。プラザ合意によって急激な円高が進み、輸出産業が打撃を受け、その結果として海外生産比率が高まり、国内の生産拠点が海外に移転した。

 プラザ合意は、アメリカの貿易赤字を是正するため に、ドル安・円高を進めることを目的だった。急激な円高は、輸出企業の競争力低下だけでなく、企業の海外進出を促し、国内の雇用を減少させる要因になった。プラザ合意後の金融緩和は、バブル経済を助長し、その後のバブル崩壊によって、日本経済に深刻な影響を与えた。

 なぜ、そんな重大な転換点となる「合意」をアメリカから受け入れたのか。それは 日航123便の事故の原因を隠蔽 し、#原因を被ってくれたアメリカが恩恵を受けたという主張 です。

 日航123便の墜落は、1985年8月。プラザ合意はその40日後。中曽根内閣が打ち出した防衛力増強に対して野党や国民がかみついていた時代。今と時代が全く異なっていて、社会党は自衛隊が憲法違反だと訴えていた。大多数の国民は防衛費を増やすなんてとんでもないと考えていた。そんなときに日航123便墜落の事故が起きた。

 日本航空123便の墜落事故についての公式発表では、米ボーイング社の修理ミスで圧力隔壁が破断 し、そこから噴き出した空気が油圧系統を破壊して、コントロール不能に陥ったとされている。そして、墜落場所の特定まで、とても時間がかかった。

 123便を自衛隊のファントム機・二機が墜落直前まで追いかけていたという目撃情報が存在する。自衛隊機が目の前で墜落する瞬間を見ているはずなので、政府がそれを把握できないということはあり得ない。#明らかに場所の特定を意図的に遅らせた。

 第4エンジンは粉々になった姿で見つかった。公式見解では、墜落するときに立木に当たってエンジンが木っ端みじんになったとされているが、木に当たったくらいで粉々になることはない。#自衛隊がミサイルを撃ち込んで撃墜させた以外の原因が見当たらない。

 #相模湾で訓練していた自衛隊のミスにより、123便に損傷を負わせてしまった。横田基地に着陸が出来そうだったが、それでは自衛隊のミスがバレるので、山奥に123便を誘導し発見が遅らせる場所を選んで、#追随するファントムが撃ち落とし た。

 当時の政府は、圧力隔壁の修理ミスが原因で墜落したことにして、米ボーイング社に泥をかぶってもらった。しかし、そのツケは大きかった。墜落からわずか40日後の1985年9月にニューヨークで結ばれたプラザ合意によってドル円は約2倍の円高になり、戦後絶好調だった日本経済は大転換を迎えることとなった。

 また1986年に #日米半導体協定 が結ばれ、それまで5割だった日本の半導体シェアは1割まで縮小。1989年の 日米構造協議 に始まる、日米包括経済協議、年次改革要望書、米経済調和対話 といった日米の貿易不均衡を是正する名目で行われてきた会議では、日本はすべて米国の言いなりになった。

 年次改革要望書では表向き日本も米国の構造改革を要求できることになっているが、日本の要求で米国が動いたことは一度もない。米国は要望を出すだけでどうにでも日本を動かすことができる状態に陥り、日本は米国の完全な植民地と化している。この原点が、日本航空123便の墜落事故だ。そんな主張でございました。

 本書のアウトプットなのに、「書いてはいけない/森永卓郎」のアウトプットをしてしまいましたが、一応これから先は本書のアウトプットにします。(笑)

 1985年9月22日、先進5か国(アメリカ、西ドイツ、フランス、イギリス、日本)の、財務大臣と中央銀行総裁が極秘に集まり、各国の外国為替市場の協調介入によりドル高を是正し、アメリカの貿易赤字を削減したいので協力してください。

 「基軸通貨であるドルに対して、参加各国の通貨を一律10~12%幅で切り上げ、そのための方法として参加各国は外国為替市場で協調介入をおこなう」

 そんな「合意」です。「条約」とかではなく「合意」。なんとも曖昧な感じです。プラザ合意から現在で40年。日本経済は、どう変わったのか。とりあえず1985年頃の日本経済は元気だった。今は完全に取り残されている感は否めない。

 プラザ合意の1985年は1ドル238円。1995年は2.5倍にもなる95円まで上げた。どうしてこれほどまでに急激な円高になったのか。当時の政治家や日銀総裁の言動、それに対する投資家の反応など、さまざま引用して非常にわかりやすく解説されていますが、如何にプラザ合意が転換点になったのか。そんなことが、なんとなくではありますが、理解することが出来ました。

 日本人は「今日より明日がよくなればいい」そんな、素朴な希望を持っている。給料は毎年上がり、家には新しい電化製品が入り、車も買える。自分の家庭を見れば、豊かになる日本が見え、明日は今日よりいいと、素朴に思えた時代ではなくなったような気がします。

 その一方、中国、ドイツの台頭はあったが、いまも日本は世界4位です。5位イギリス、6位フランスを軽く引き離す、堂々たる経済大国です。世界的に見ると、間違いなく、最も豊かな国のひとつです。

 他国はどうのこうのと、言う前に、「明日は今日よりいい」わけではないけど、「今日はいい」で良いのではないか。そんなことを思わせてくれる本書でありました。