Z世代とは、一般的に1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代を指す。現在では、10代後半から20代後半の人々が該当する。
アメリカで生まれた世代区分に由来する。1960年代半ばから1980年頃生まれをX世代、1980年頃から1990年代半ば生まれをY世代(ミレニアル世代)と呼ぶ流れの中で、その後に続く世代として「Z世代」と名付けらた。
X世代:1960年代半ばから1980年頃生まれ
Y世代(ミレニアル世代):1980年頃から1990年代半ば生まれ
Z世代:1990年代半ば以降生まれ
デジタルネイティブであり、生まれた時からインターネットやスマートフォンが普及した環境で育った。SNSでの情報収集や発信を日常的に行い、多様性や社会問題への関心が高いのが特徴。
多様な価値観や生き方を尊重し、ジェンダー平等やLGBTQ+の権利に関心が高い傾向がある。環境問題や社会問題に敏感で、社会貢献や持続可能性を重視する傾向がある。
そしてタイパ重視。タイムパフォーマンスを重視し、効率的な消費行動を好む。リアルな体験も重視する。デジタルな情報だけでなく、リアルな体験や経験を重視する傾向がある。
自分の価値観を大切にし、自己実現や個性を追求する傾向があるのだという。
「世間の人々が若者に不満を持つのは古今東西変わらないようで、古代エジプトの遺跡の壁画にも『近頃の若者は……』って、書いてあったとよく言われるが、この話はネットで流行ったウソらしい。
そんなウソ話がリアリティを持つくらい、人々は若者にいつも呆れているし、若者はいつも呆れられている。
「まったく、近頃の若者は!」とみな嘆く。本書はゆとり世代の東大講師がコミカルに語る現在の若者論といった感じでしょうか。しかし、若者はその時の社会の構造を写し取った存在であり、現在の若者を見れば、現在の社会がどの様になっているのか。少しヒントをもらえるような、そんな一冊でありました。
SNSのコンテンツが細分化しすぎた結果、若者同士の共通項が失われつつある。本書で若者から聞いたセリフで「LINEは重い!」というものがあった。「X」や「インスタ」から入り、「LINE」を教え合うのは最後。
Facebookは年寄りのSNSで、若者はインスタが主流とはよく聞く話です。私が知らないだけで、LINEもおじさん化している現実は、確かにあるのかもしれない。
私が学生の頃は「昨日のテレビ見た」など、皆がみるテレビをみないと、話に入れないそんな風潮もあった。Youtubeなど、多岐にわたる情報を各人が得ているので、共通する話題は特にない。そのため価値観や自己実現欲求など、そんな抽象的な話題が多くなってしまう。
完璧さが求められる現代社会を「デオドランド社会」という言葉で本書は例えていた。「防臭効果」臭いのもとを消臭する技術にたとえ「他人と気体を共有したくない」という欲望が過剰に高い度合にまで進んでしまった社会だという。
加えて、Z世代の若者は失敗を過度に恐れ、失敗した際の言い訳探しに躍起する。「それなら仕方ない」と言ってもらいたがっているらしい。
それはZ世代に限ったことではないのでは。そんなふうに思うが、これが「今の若者は・・・」と嘆き続けた先輩たちに共通する、繰り返して行く歴史なのかもしれない。私はこうやって、たくさん本を読んで普通の人より、たくさん理解力はあるような気がしますが、意固地にならずいろいろなものを理解し受け入れて行こう。そんなふうに思わせてくれれる本書でありました。