休養学: あなたを疲れから救う / 片野秀樹


 日本では挨拶というか、労いの言葉として「お疲れ様です」と、そんな言葉をよく使う。Googleで翻訳すると「thank you for your hard work」辛い仕事をしている。そんな前提の労いの言葉です。そんな国は日本しか無いという。

 疲れたらコーヒーを飲む。エナジードリンクを飲む。そんな行動は根本的に疲れを解決しているわけでは無く「マスキング」しているだけだという。根本的な解決にはならないどころか、それらを多用することによる反作用を、注意しなければならない。そんな警告を知ることが出来ました。

 如何に睡眠が大事なのか。本書では大分語られています。胸に刺さった言葉がありました。「酒を飲んで寝るのは麻酔で意識が無いのと同じ」私の毎日している睡眠は、自分になにか役立っているのだろうか。そんな自己嫌悪をさせて頂きました。(笑)

 その反面、昼寝の重要性も説いています。私も含めて、建設業の関係者は昼寝族が多い。私は昼寝をしないと、午後の調子が悪い、そんな体になっています。

 そんな睡眠の話から、クリスチアーノ・ロナウドの睡眠の話について触れていた。

 夜まとまった睡眠を取るのではなく、短い眠を何度も取る「多分割睡眠戦略」は、古くは万物の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが、現代ではサッカー界の至宝クリスティアーノ・ロナウド選手が「90分の睡眠を1日5回」という形で実践していることで知られている。

 多相性睡眠とも呼ばれ、動物の多くがこの眠り方。人も産業革命以前は多相性だったと考えられており、奇異な印象ほど不自然なものではないと言えるという。

 睡眠は夜まとめて取るという常識を、捨てるだけで『眠れない』というストレスを大幅に減らすことができるという。

 私は酒が好きなので、次の朝までに酒が抜ければいい。そんなスタンスで睡眠につく。とても90分つづ起きたりするアクションは出来ないだろう。仮に出来たとして、とても頻尿になって、90分おきに尿意を感じる様になるときかも知れない。(笑)

 「熱がある」「お腹が痛い」「頭が痛い」そんな理由で仕事を休むのはよくあることです。「疲れた」ことを理由に仕事を休めるような文化は、日本にはまだありません。「疲れているので休ませてください!」そんなことを言われたら、私も「はぁ〜っ!!」とイラッとすると思う。

 しかし本書ではその疲れをコントロールし、如何に休養し自分のパフォーマンスを上げるのか。そんな提言をしています。

 あなたのパフォーマンスが100%発揮できることを前提に、あなたは雇用されている。そのパフォーマンスを発揮出来ない体調であるならば、それは雇用関係に違反をしているような状態なので、仕事に行くべきではない。そんな記述がありました。

 私は雇用する立場の人間なので、雇用される側の立場に寄っている本書かと思いましたが、体調が悪い状態で、いつものパフォーマンスが発揮できなかったり、それどころかトラブルの発生に起因するくらいだったら「疲れたを理由に休んでも良いのではないか!」そんなことを思わせてくれる本書でありました。

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