超インフラ論 地方が甦る「四大交流圏」/ 藤井聡


 日本は世界の中でも社会インフラが整っているほう。そんな風に思っている人が多い。残念ながら、日本は社会インフラがボロボロで、先進国とはとても言えない状況だという。

 毎年、多額の予算を使って公共事業をしているが、高速道路も少なければ、新幹線も少ない。先進国の中では後進国だといってもいいレベル。

 ましてや日本は自然災害大国です。毎年のようにいる自然災害における犠牲者は、世界ワースト上位に常に位置しているという。

 世界には、インフラ整備が整っていない地域はたくさんあり、そういう場所で、災害が起きて大きな被害が生じたというニュースが、時々報じられる。

 しかし、日本はそうした貧しい地域、発展途上の地域をしのぐほど、毎年多くの災害犠牲者を出しているのだという。

 東京一極集中がよく問題視されることがあるが、その原因は東京にインフラ投資が集中している要因が大きいため。

 著者曰く、地方を甦らせる最短にして最善の道は「インフラ」しかない。しかし、現代日本において「インフラが重要」というと、もう成熟社会だから、もう道路などのインフラなんて必要ない。共事業は税金の無駄使い。そんな論調が必ずでる。

 そんな固定観念は、種々のデータから垣間見れば「大間違い」だということがすぐわかる。「日本の高速道路網は先進国中最下位」「公共事業費は5倍になってGDPに反映される」「デフレ期においては、インフラ投資で税収増が期待できる」

 建設屋の私としては、とても心強いお言葉を頂きました。笑

 インフラの整備効果には「フロー効果」と「ストック効果」、それに加えて「期待効果」というものがある。「フロー効果」は、公共投資の事業自体によって生産、雇用や消費といった経済活動が派生的に創り出され、短期的に経済全体を拡大させる効果とされている。まさに私のような建設会社が受ける恩恵といっていいだろう。

 「ストック効果」は、整備された社会資本が機能することで、整備直後から継続的かつ中長期にわたって得られる効果。道路などで例えれば、人の交流人口が増えるようなことは、誰でも思いつくことだろう。

 「期待効果」は、インフラの整備により、アクセス性が向上したり、物流コストが低減したり、経済活動の効率性が向上。地域の生産高が増加し、工場の立地や雇用の増加など様々な要因が予想されることにより、地域経済への投資が増えて行く効果です。

 東京にばかりインフラ投資するから、東京一極集中になり、結果少子化になっていくのは自然の流れ。過去のデータから好景気ほど東京への流入人口は減り、少子化は改善していく。

 まさに地方にインフラ投資をすればするほど、地方に残る人材は増えて、好景気に向かって行く。地方のド田舎で建設屋を営むものとして、とても心強いお言葉をいただける本書でありました。

 ケインズは「不況の時は、政府が公共投資などを行って雇用を生み、景気を良くすればよい」という景気対策を理論的に明らかにした経済学者です。「景気が悪いときは穴を掘って埋めればいい」という究極の発言をした人です。

 土地は自社所有の所を提供します。宮古市長でもいいし、岩手県知事でも構いません。私に穴を掘らせて、埋めさせてください。笑

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