最近は読んで(聞いて)はいるけれど、アウトプット出来ないという非常に悪い流れなので、なんとか打開すべき、少しづつでも書いて行こうと思います。(笑)
馬主とその家族の20年を描いた壮大なエンターテインメント長編です。主人公は、ある挫折から希望を見いだせなくなっていた税理士の栗須栄治。
彼は、後に自身の人生に大きな影響を与えていく、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長で馬主の山王耕造と出会い、秘書として働くことになる。
耕造は、競馬に熱中し、「ロイヤル」の名を冠した馬の勝利、特に有馬記念制覇という大きな夢を追いかける。栗須は、そんな耕造と共に競馬の世界に足を踏み入れ、ロイヤルヒューマン社の持ち馬「ロイヤルホープ」などに期待をかける。
物語は、耕造と彼の家族(妻や子)、そして彼を取り巻く競馬関係者たちの波瀾に満ちた20年間を、栗須の視点を通して描かれています。
競馬事業の馬の血統、そして親から子へと受け継がれる夢や情熱とあわせ、家族の絆が描かれている感じでしょうか。
特に後半は、耕造の死後、彼の息子である耕一の世代へと物語が移り、馬名が「ロイヤルファミリー」と名付けられた馬と共に、親が成し遂げられなかった夢を掴みにいく展開が描かれています。
特に私は競馬好きというわけではありませんが、著者の描く競馬の世界は、とても興味を頂きつつ少し競馬に興味をもつことが出来ました。
著者の作品はアルプス席の母から始まり、店長がバカすぎてシリーズの4冊、本書で5冊目でありますが、ジャンルの幅がすごいいうか、とても念密に取材をしているのだろうと、本書でも感じさせてくれました。