店長がバカすぎて/早見和真

 読書のアウトプットをするとき、何を書いたら良いか浮かばないときに、AIに「要約を書いて」とか、質問して書いてもらうときがあります。基本的に、アウトプットして、自分の記録にすれば良いのだから、最近はそれもありかと思っています。

 今回は、XのGrokで「店長がバカすぎて/早見和真 要約をして」と聞いたら、次の様に出てきました。

 主人公の谷原京子(28歳、独身)は、東京・吉祥寺にある「武蔵野書店」の契約社員。本が大好きで文芸書の担当を務めるが、超多忙で薄給、客からのクレームが日常茶飯事という厳しい職場環境に苦しんでいる。

 特に悩みの種は、店長の山本猛。名前だけは勇ましいが、空回りばかりで人を苛立たせる「非」敏腕ぶりが炸裂し、京子は毎日「マジで辞めてやる!」と心の中で叫びながら働いている。

 憧れの先輩書店員・小柳真理さんが心の支えだが、ある日彼女から「店を辞める」と告げられ、京子の日常はさらに波乱含みに。店長のバカげたアイデアやトラブルが次々と巻き起こる中、京子は本や仕事への愛を胸に、さまざまな出来事に向き合っていく。連作形式で、書店の裏側(在庫管理、イベント企画、客対応など)をコミカルに描きつつ、京子の成長や人間関係の機微を織り交ぜる。

 お見事です。(笑) 1話が「店長がバカすぎて」2話が「小説家がバカすぎて」3話が「弊社の社長がバカすぎて」4話が「営業がバカすぎて」5話が「神様がバカすぎて」最終話が「結局、私がバカすぎて」という流れも、「バカ」の対象が変化しているあたりにテンポがあるというか、小気味良いというか、とても楽しませてくれました。

 本屋さんの日常を切り取っているということで、「本屋大賞」を意識しているのだろうと思って読んでいましたが、本書にも「本屋さん大賞」という賞が出てきます。本書も2020年本屋大賞ノミネートだし、今年の本屋大賞では「カフネ/阿部暁子」に続き2位だった「アルプス席の母」も著者によるもの。本屋大賞常連ということで、それはそれで、非常に納得できるものがありました。

 基本的には、本屋の店員さんの日常の出来事が描写されているのですが、本書の中に「店長がバカすぎる」という小説が出てきます。その作者は覆面作家なのですが、それは誰かという興味を最後までひっぱり、そして顔出しするという、プチミステリーな感じもとても楽しませてくれる本書でありました。続編もあるようなので、早速読んでみようと思います。