著者の本は2冊目。前に読んだ「仙台育英日本一からの招待 幸福度の高いチームづくり」と、内容は結構ダブっているような印象はありますが、前著は野球の技術的なことが多く書かれていましたが、本書は少ない印象なので野球のことがわからない人は、本書のほうがおすすめします。
前著を読んだのは、2023年の8月でしたが、2024年9月のとある宴席で、隣の席と名刺交換をしたら、学校法人仙台育英学園_理事長・校長という名刺をいただきました。
なにか話題をふろうと考えていたら、仙台育英の野球部監督の本を読んだのを思い出したので、こんな感じのことを言いました。
「野球部の監督さんの本を読んでとても感銘しました。地域に愛され応援されないと、日本一になれないと、地域に協力したり巻きこんで行く様子がとても凄いと思いました。」
そうしたら理事長さんは「その本を出してから、講演活動が多くなって野球部が弱くなった!」とおっしゃっていましたが、十分強いと思います。(笑)
そんな縁も少し影響したのか、著者のお話を聞く機会を頂いたので、聞く前に著者の本を読んでおこうと思い、本書も読ませていただきました。
本のタイトルにもある「失敗から学び」ですが、著者いわくほとんどのケースで成功体験というものはいい方向に働かないと思っているいう。
成功したと思ったら、あとで必ず痛い目に遭う。成功によって誤解を生むこともあるし、ひがみ・やっかみに悩まされることもある。過信もする。
基本的に常に上がり続けることはない。上がったら上がったぶんだけ落ちる。急な落下はやはり危険を伴うし、衝撃で潰れてしまうこともある。
せめて緩やかに落ちたいと思っているので、さまざまなところにストッパーとなるような仕掛けを作ることが必要で、落下スピードが緩やかになれば、落ちているあいだにまた上がるための体力を蓄えることもできるという。
伝えたいことを伝えるには、丁寧に何度も相手の話を聞き、相手の心の扉を開けること、個人対個人という関係性をもとに築いたうえで話すことが大切。相手の年齢、社会的地位や立場によって使い分ける言葉は薄く、相手に届く力がなく、伝わらない。
先週の1月22日に著者のお話を聞く機会がありましたが、前に植松努さんの講演会を聞く前に、本を3冊読んでから行ったときのように、知らないエピソードはほとんどありませんでした。(笑)
このような時に不思議な感覚になります。お話は90分くらいの時間でしたが、本を読むのは数時間かかります。いま、講師がしゃべっていること以外の参加者の知らないエピソードを、自分は知っているという優越感を得ることができます。
セミナーとかは時間をかけて移動して行ったり、お金を払って聞いたりするわけですが、本はいつでもどこでも読めるし、編集者とかのフィルターも通っているし「やっぱり本はすげぇ〜!」と再確認させてくれた体験でありました。(笑)