わが恩師 石井紘基が見破った官僚国家 日本の闇 / 泉房穂


 石井紘基。2002年10月25日、自宅で迎えの車に乗ろうとしたところを、右翼団体の伊藤白水によって刺殺された。翌26日に警察に出頭し逮捕された伊藤。石井は国会議員や官僚の腐敗を徹底追及していたことから「暗殺された」との見方もあるという。

 10月28日に予定されていた国会質問を前に、石井は「これで与党の連中がひっくり返る」と発言した。事件当日、石井の鞄には国会質問のために国会へ提出する書類が入っていたが、事件現場の鞄からは書類がなくなっており、いまだに発見されていない。一般会計の4倍相当の金額を有する特別会計について、質問予定だったとされている。

 wikiより抜粋してみました。財務省の本を読んでいたら、石井紘基さんの名前が出てきたので読んでみましたが、先月に出版されたとてもタイムリーなタイミングで読むことが出来ました。

 石井紘基はソ連に6年間留学。1960年代のソ連は「理想の国」といわれる社会主義をといいはやされていたが、実際に行ってみると全く違った。 実際のソ連は官僚が支配している国家であり、国民は事実を知らされずに貧しい生活をさせられていた。

 そして日本に帰国してから気がついたという。「日本もソ連と同じように官僚が支配する国」民主主義と看板を掲げているが実際は「官僚社会主義国家」ではないか。そこから国会議員を目指し、国会の場で官僚に追求をしていく。

 著者のインタビュー記事にこんな質問があった。

 Q:石井さんが国会で質問しようとしていた「日本がひっくり返るくらい重大なこと」とは何だったと思われますか?

 A:分かりません。私もその後、石井さんが抱えていた大量の資料などを見せてもらいましたが、まあとにかくあらゆる資料が膨大にあるし、字は汚いし、とても内容を精査して実態が見えるような様相ではありませんでした。石井さんは家族を含め、周囲の方々に「たいへんなことを発見した」と言っていたので、何か見つけていたことは確か。石井さんは重要なことは、周囲の人にも具体的な内容を話さなかった。

 本書でも殺された理由については言及されていませんが、2002年発行された石井紘基の著書「日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす!」の紹介文にこんなことが書いてあった。

 小泉首相が進めている構造改革で本当に日本は再生できるのか。7年も前から構造改革の必要性を直言してきた衆議院議員である著者が調べあげた事実を基に検証すると――。日本の「経済」は極端にいえば、国と地方と合せて、国民の税金と貯金、年金、保険積立金など350兆円を上から流し込んで消費しているだけのものだ。つまり、市場特有の拡大再生産機能によって生み出される果実はないに等しい。“市場”が死亡状態となり、借金が借金を呼ぶ財政破綻構造に陥っている。積もり積もったほんとうの借金額は1000兆円を超えている。日本再生の鍵は国家体制を官制経済から市場経済に移行させることである――。小泉首相は構造改革を経済政策や金融政策と混同していると批判し、著者渾身の真の構造改革のための25のプログラムを提示する。日本を破産させる利権システムの全貌を踏まえた提言には、著者の日本再生への思いがこもっている。

 確かに誰かに狙われてもおかしくないような、匂いがプンプンします。殺された理由はわからないとは思いますが、本書と関連付けする意味でも読んでみたいと思います。

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