よくテレビで見かける著者ですが、すい臓がんステージ4の告知を受けた際に、何かを食べたいとか、 どこかに行きたいとか、そんなことは少しも考えず、自分の命のあるうちにこの本を完成させて世に問いたいと思ったという。
その意味では著者の40年にわたる研究者人生の集大成であると同時に「私の遺書」であると書いてありました。
ジャニーズ事務所、ザイム真理教 、 日航123便はなぜ墜落したのか。3点について書かれており、最後に「日本経済墜落の真相」と題して、私は想像も出来なかった持論を展開しています。
著者の「ザイム真理教」を先日読んだので、財務省の話はダブっていましたが、興味深かったのは日航123便の墜落から始まった対米関係です。
日航123便の墜落を知った米軍は、救助しようと試みるが日本側から止められる。それから始まった証拠隠しと思われる行動。自衛隊と米軍に何があったのか。最後はボーイングの修理ミスという、アメリカ側が責任をかぶる形で終結する。
このとき、アメリカは日本に最大限の貸しを作ったことで、墜落の40日あとに行われた「プラザ合意」で無条件降伏をさせられた。1年後の「日米半導体協定」でもアメリカの言いなりになる。
加えて1989年に結ばれた「日米構造協議」協議のねらいは日米間の貿易不均衡の解消にあり、その大きな原因は日本市場の閉鎖性にあるとするアメリカの主張から協議は始まり、アメリカが次々に日本につきつける難問は、ジャパンバッシング(日本たたき)といわれた。
協議など名ばかりで、日本の主張やお願いなど、何も受け入れてくれるものはなかった。アメリカの言いなりになり、不動産バブルを起こし、バブルが弾けてからももっと溝を深くする政策ばかりを日本にやらせて、日本を復活できないよう仕向けて来たという。
バブル発生のメカニズムは、今まで読んだ本の中では一番わかり易い印象ですが、日銀が取った行動や、小泉がやった構造改革を影でアメリカが操っていたとしたら。妙に腑に落ちる内容でございました。
本書では「日航123便 墜落の新事実: 目撃証言から真相に迫る / 青山透子(著)」をたくさんの人に読んでほしいと説いています。大手新聞社に書評を書いても、難癖つけて掲載してくれないエピソードが紹介されています。
私は読了済みですが、再度読み直し続編も何冊かあると紹介されていたので、手にとってみようと思います。
7月10冊目_2024年143冊目