ワタシの住む市には、分譲マンションはたぶん存在しないので、身近に接したことのない「マンション管理人」。そんな人種のことについて、詳細に知れるなんて読書ならでは。そんなことを再確認出来る一冊でありました。
大阪の分譲マンションに、夫婦住み込みで勤務する著者の給料は手当てを含めて月17万円。所得税や健康保険、雇用保険、住民税などが天引きされ、実質手取りは15万円程度。「副管理員」という立場の妻は月にもよるが平均で6万円。手取りだと夫婦合わせて21万円ほどの額になるという。
率直な感想は安すぎると思う。時間は決まっているが、仕事がとても多岐にわたっており、時間内に仕事は全く終わらない。仕事だけならまだしも、ケンカ腰で怒鳴り込んでくる人もいれば、酔っぱらってフラフラになって駆け込んでくる人もいる。
マンション管理員といえば、私も含めて、エントランス横にある小さな事務所に、ちょこんと座っている年輩男性。そんなイメージをお持っている人が多いかもしれないが、優れた対人スキルやコミニュケーション能力がないと、とても務まらない仕事だと感じました。
著者は自分で商売を起業したが、神戸の大震災後の影響で会社をたたんだリタイア組です。その商売が公告的な仕事で、元コピーライターということです。そのためもあると思いますが、とても読みやすい感じでございました。
この手の本を読むといつも思います。自分は幸せ者だ。笑 自分の仕事の不平を言うよりも、もっと大変そうな人の本を読むと、自分が今置かれている環境に感謝することができます。今の仕事に不平がある人は、本書を読むとそんなことを体感できることでしょう。
少なくともワタシの会社で、この仕事量をこの待遇でやらせようとしたら、みんな1ヶ月ももたずに退社すると思います。笑
7月3冊目_2024年136冊目