中国不要論 / 三橋貴明


 中国経済が失速し、株価大暴落した2015年。しかし中国共産党による介入で再び不動産バブルが起こり、そのバブルが崩壊するのは時間の問題とされている。

 そんな状況下でも中国共産党政府は、まさにやりたい放題。日本の領海や領空を頻繁に侵犯したかと思えば、南沙諸島を不当に埋め立てている。日米やASEAN諸国からどれだけ批判されようと、中国側は岩礁埋め立て、軍事基地を次々と建設し、南シナ海を囲む「九段線」の実効支配を進めている。

 ところが、日本の大手メディアは中国に対し「及び腰」。日本の新聞社やNHKをはじめとするテレビ局は「日中記者交換協定」というものを結んでおり、中国に対して不利な報道をしないように決められているという。

 中国の真実については報じない。そればかりか「中国なしでは日本経済は成り立たない」などとミスリードを連発し、ビジネス界でも当たり前のように受け入れている。

 日本は中国に経済依存などしていないし、むしろ中国と付き合うことのリスクの方が高い。日本経済は中国がなくともまったく困らない。中国をどちらかといえば嫌う私は、そんな著者の主張に頷くばかりです。笑

 日中の具体的関係はどうなっているのか。中国経済なしで日本経済は成り立たないという、大手メディアのプレゼンスは成立しない。第二次世界大戦の戦勝国を僭称する中国は、国連を利用して敗戦国日本に対し、慰安婦、南京事件などをネタに仕掛けてくる。

 経済的に優位に立っていれば、言いたいこともいえない。それは市場競争原理では当たり前。私もお金をもらう発注者より、お金を払う受注者に強いことは言いやすい。

 日本は経済的に中国よりはるか上を行っていた過去がある。しかし、追い越されてしまった。昔はハイ、ハイ、と言うことを聞いていたけど、オイ、オイ、と、突っ込まれるような立場に逆転した。

 中国人が日本に来て、爆買いだとかマナーが悪いとか、そのようにメディアに洗脳されているが、実は「日本人が貧困になっている」そんな理由で全て説明出来る。そんな風に思わせてくれる本書でありました。

This is the 05th book in March and the 50th in 2024.