昭和20年8月14日正午からの24時間。
1時間毎の節に分けて綴られています。
著者は序章でこのように述べています。
本書は単に「終戦の日」の思い出ばなしを羅列したものではない。いままで埋もれていた資料をもとに、日本人の精神構造を主題にして構成した、二十四幕の〝長篇ドラマ〟なのである。
著者の言う通り、事実が淡々と語られるのでは無く、とても緊迫感のある小説を読んでいるような内容でありました。
ポツダム宣言を受諾し太平洋戦争は終わった。
学校ではそう学ぶが、単純に受託したから終戦というわけでは無い。
「受託」という方向性を向いたというだけで、
それに反対し行動を起こそうとするものもいれば、
自決するものも大勢いる。
次々と重要文書を燃やし処分をしながら
どのように国民に伝えるか。
選ばれた方法は、
天皇陛下のお言葉として事前に収録されたものを8月15日正午に放送
その放送する場所、妨害しようとする勢力の存在、
失敗は許されない、放送までの現場の緊張感。
24時間というタイムスケジュールだからこそ、
ひしひしと伝わって来ました。
そして印象的だった「国体護持」
日本は戦争に敗け全面降伏するしかなくなったとしても、
天皇を中心とするこの国のあり方の継続だけは臨んでいる様子。
様々な歴史関係や戦争(敗戦)関係の本を読むと、
如何に日本にとって「天皇制」が重要なことなのかわかります。
その継続を望み、受け入れてもらったのか、
GHQに利用されたのかは、私が語るに及びませんが、
敗戦から19年後にオリンピックを開催できるまで復興し、自然災害はたくさんありますが、こうやって日々、平和に生活出来ることに感謝しなければ。
そんなことを実感するためにも、戦争に関する書物は定期的に読みたいと思います。
14 th in August / 230 th in 2023