おばあさんの家で出会った日本語の本。
見たことも無い字に魅了し、日本に興味を惹かれていく。
日本のアニメ、絵を書くことが大好きで、いつか日本にいってマンガ家になりたい。そんな夢を抱く少女。
日本語を独学で学び、夢を膨らませて行く。
朝、爆撃音があったことを母から聞くが、当事者意識がまだ薄い少女。そして学校に行くと先生からこう言われる。
「みなさん、明日から戦争になります」そう、言われこれからの対応について説明される。
先生の宣言どおり、日常はどんどん変化していく。
そしてある朝、母からこう言われる。
「あなたは日本に行きなさい」
シングルマザーの母が貯めた渡航費用の16万円。
国外脱出をしようとするが、いつ動くかわからない列車。
たどり着いた、ポーランドで初めて会う日本人の取材陣。
日本語が通じるか、話してみて伝わった喜び。
その出会いが転機となり、取材スタッフの通訳の手伝いをして広がる人脈や支援。
あと数時間で出発というときに「コロナ陽性」というハードル。
著者の彼女は無事、来日できて日本でちゃんと暮らしているようです。
そんな彼女の周りで起きた出来事が、「日記」という形で本書には綴られています。
どれくらい、彼女の綴った文章なのかはわかりませんが、
You Tubeでも検索すれば、ポーランドでの取材陣との最初のやり取りも出てきます。その日本語力を垣間見ると、取材陣が「報道ステーション(朝日系)」だが、納得できるような気がします。笑
率直に著者は凄いです。笑
独学で日本語を学び、本書を書き上げていること。
素敵な絵を書けること。
日本語が堪能で、日本を愛してくれていること。
本書には、印象的な場面が彼女が描いた「絵」が紹介されています。表紙の絵も、彼女が書いたものです。
そして、まだ10代。戦争を起因として、日本に来た。
宝物は、太宰治の「人間失格」それも初版版だという。
15000円したと書いてあったが、たしかにネットで調べたら、それくらいしているようだ。笑
太宰の人間失格。
子供の頃、読んだ記憶はあるが、内容がぜんぜん思い出せない。笑
ウクライナから、日本に来た少女の本を読んで、
改めて「人間失格」を読んでみようと思わせてくれました。笑
本書のレビューをいくつか読みましたが、
著者の同年代の親戚にプレゼントすると書いている人がいた。
彼女の日記を読むことにより、
どれくらい今の自分が幸せなのか。
如何に「戦争」という出来事が、不幸せを招くのか。
そんなことをとても体感できる。
私も全く同感です。
たくさんの人に読まれることにより、彼女を応援することになるし、
平和ボケしている日本人こそ、
読むべき1冊。
少女の提言を体感してほしい。
そんな1冊でありました。
31 th in July / 214 th in 2023