病気の日本近代史: 幕末からコロナ禍まで / 秦郁彦


近代日本は「流行病」「難病」との闘いの連続だった。

著者は、医師や医療専門家ではなく、

政治史や軍事史を中心に執筆を重ねてきた人です。

そのため医学の研究書とは違い、歴史家の視点から

「難病の制圧をめざす国家的な総力戦」

そんな過程を検証しつつ、

「生死をめぐる運と不運」

「喜びと悲しみの交錯ドラマ」

そんな感じでしょうか。笑

明治天皇や陸海軍兵士たちが

悩まされた脚気から始まり、

軍民に蔓延したスペイン風邪。

「亡国病」と恐れられた結核やマラリア。

現在死因トップのがんまで。

様々な歴史を学ぶことが出来ました。笑

「肺がんとタバコ」という章に

「非喫煙者のがんが増えている」という節がある。

1980年代後半から今にわたり、

肺がんのタバコ主犯説がほぼ定着した。

しかし、動物実験など病理学的に証明されていない。

大気汚染など諸リスクの相関、競合、寄与度が

十分に解明されていない。

喫煙率(男)は公式データのない戦前期をふくめ、

長く80%前後で推移したあと

1970年頃から下降カーブに入り、

2018年には三分の一強の28%まで低下した。

男女計だと18%だから、喫煙者はマイノリティ。

喫煙者が減っていくのに、

肺がん死は増えていくという明白な矛盾を

論理的に説明した研究者を見かけない。

著者はショートホープを嗜んでいるらしい。

喫煙所にイスがなくなると、

目安箱に年寄りも吸うのだから、

イスを置いてほしいと投書するとか、

とても「タバコ愛」を感じさせてくれました。笑

ここ30年かけて、タバコは完全に悪者になった。

次はきっとアルコールが狙われるという。

それは勘弁して欲しい。笑

「禁酒法」はどんな影響があって滅びたのか。笑

なにか「禁酒法」に関する本を読んで、

勉強しようと思います。笑

25 th in June / 174 th in 2023