小泉今日子はなぜいつも旬なのか / 助川幸逸郎

花の82年組と言われる、中森明菜。松本伊代。早見優。堀ちえみ。石川秀美。シブがき隊。そして本書の小泉今日子。

時は山口百恵が引退し、松田聖子が登場したアイドル界。

中森明菜は百恵の跡を狙い、

ハワイ帰りの早見優。

健康的な石川秀美。

天然系の松本伊代。

たのきん旋風に続くシブがき隊。

堀ちえみの売りは何だったろう。笑

小泉今日子は「アイドル王道70年代時代回帰」を目指したという。

デビュー曲は「私の16才」

1979年発売の森まどか「ねぇ・ねぇ・ねぇ」カバー。

2曲目は「素敵なラブリーボーイ」

1975年発売の林寛子のカバーです。

しかし82年組の中では最後列からのスタートとなった芸能人生。

その後はどうだったのか。

本書では「唯一松田聖子の背中を追わなかったアイドル」そんな言葉で説明しています。

デビュー時こそ、みんな注目された82年組ではあったが、中森明菜以外はパッとしない。

小泉今日子の目指した路線は「聖子と明菜」の間だったという。

そんなところに訪れた、おニャン子旋風。

今までアイドルというものは、選ばれた人間がなるというものだった概念に、普通の女の子がなれるというモノになってしまう。

そんな時、彼女に与えられた楽曲が、

「なんてったってアイドル」

アイドルは作られたもの、こうでなければならないという、アイドルの内部事情を暴露するような歌詞で、おニャン子勢との差別化を図っていく。

歌詞の提供者は秋元康。

おニャン子旋風を先導しながら、ライバルにもコンテンツを提供するという。まさに秋元康恐るべしですね。笑

本の題名通り、いつも旬であったキョンキョン。

まわりのプロデュース力はもちろんあると思いますが、

それに抵抗するどころか、冷めた頭で要求に対応し変化していく。

そんな彼女の大人の対応が、40年もの間、第一線で活躍出来る理由なんだろうと痛感させて頂きました。

本書でもだいぶ触れていましたが「あまちゃん」における天野春子役を演じたKYON2です。小泉今日子のキャスティングが1番早く決まっていたという。

主役は勿論、能年玲奈だったけれど、アイドルを目指してなれなかった。影武者を演じて表舞台に出れなくなった。娘の夢を否定しつつ、首を突っ込まずにはいられない。おニャン子の勢力を拡大したように、アマちゃんでは「GMT」というご当地アイドルが登場する。そんなシステムに反する天野春子の姿。

小泉今日子以外、この役を誰が演じる事が出来たのか。

著者はそんな風に説いています。

私も「あまちゃん」を食い入る様に見ていた。

商工会議所青年部の役員会。久慈で行われた時、懇親会で「あまちゃんクイズ」というのがあり優勝した。笑 もらった商品は「生うに」で、朝食会場でみんなに振る舞ったのを思い出す。笑

本書を読んで、あたらためて昔の小泉今日子の動画をみましたが・・・ 可愛さ。美しさでは、聖子も明菜もかなわないくらい、素晴らしい。

そんなことを思わせてくれる1冊でありました。笑

そして本書では全く触れていませんでしたが、

「少女に何が起こったか」というドラマがあった。

堀ちえみの「スチュワーデス物語」以上の印象が私にはある。

「ゆきぃ〜〜!!」

石立鉄男が叫び、宇津井健が影から見守る姿。

当時「ゆき」という同級生はいなかったが、「ゆき」という女に会うとこの話題には触れずにいれなかった。

そんな青春の思い出をありがとう。

キョンキョンに逢うことは無いとは思うが、

あった時はお礼したいと思う。笑

1 th in January / 1 th in 2023