アメリカ下層教育現場/林壮一

アメリカ教育現場の実情を紹介する内容かと思って手に取ったが、内容がイメージとは違っていた。笑

フリーライターの著者が、米国でメジャーリーガーを取材し執筆活動をしていたが、出版社の待遇の悪さで路頭に迷っているところ、声をかけられチャータースクールで「日本文化の講師」を経験した体験談をまとめた内容になっています。

チャータースクール

日本では馴染みのない言葉です。ググればこんなのが出てきました。

従来の公立学校では改善が期待できない、低学力をはじめとする様々な子どもの教育問題に取組むため、親や教員、地域団体などが、州や学区の認可(チャーター)を受けて設ける初等中等学校で、公費によって運営。 州や学区の法令・規則の適用が免除され、一般の公立学校とは異なる方針・方法による教育の提供も可能。

上の文章は、頭の悪い生徒を集めているような感じですが、逆に優秀な生徒ばかり集めるところもあるみたいですけど・・・

著者は教員の資格も無いフリーライター。

教える教科は「日本の文化」

出だしの設定からして、学校内の荒れっぷりが想像できましたが、まさにその通り。著者は、スクールウォーズのように「ビンタ」したい衝動にかられます。笑

日本にも同じような生徒が集まる公立学校はあるのでしょうが、私は知らないし、ここまでは酷くは無いでしょう。

それでも著者の生徒を振り向かせようとする努力に感銘します。

浦島太郎、相撲、ブラックジャック、まんが、アニメ、日本語、君が代など。どんどん生徒の肝心を得ていく様子は、著者を応援したくなりました。

アメリカでは日本以上に学歴社会。

それは育つ環境によって大きく左右される。

貧困層から成り上がって成功する人達を、称賛する風潮はある一方で、成功できないどころか生活するのに精一杯な人達がいるのだろう。そして後者の方が大半を占めているという真実がある。

なぜ、トランプが大統領になれたのか。

そんな背景を本書から少し感じ取ることができました。笑

18 th in November / 323 th in 2022