自治体倒産時代/樺嶋秀吉

夕張市の破綻を他人事とは思うべきでは無い。
夕張市には炭鉱の閉山後、
人口の急減にともなう税収。
地方交付税減少。
産炭法失効による産炭地域振興臨時交付金の廃止など
破綻する原因はたくさんあったのは事実ではあるが、
行政の舵取りにも問題があったという。
そんな側面を感じ取れることができた。
「夕張」のイメージといえば「メロン」
そんな風に思う人は私も含め多いと思う。
知名度は全国区と言っても良いだろう。
夕張市は破綻したけど「メロン」があるから大丈夫じゃね。
そんな風に楽観的に思っている人は多いかも知れない。
炭鉱の街において行政の援護も受けず
独自に生き抜いて来た「メロン」だからこそ
維持できているだけで、破綻した行政を支えるほどの
パワーは無いという。
メロンが有名だから大丈夫じゃね。
そんなイメージを持っていた自分に対して嫌悪感レベルです。
夕張市は炭鉱に頼れない状態にありながらも、
身の丈に合わない財政支出を行ったり、
赤字を年度をまたがる貸付や償還という
不適切な処理により結果破綻する。
軌道修正をする機会はあったはず。
様々な行政は同じ道を辿らないよう是非参考にしてほしい、
失敗例と言っても良いだろう。
そんな率直な感想です。笑
そして本書で特筆すべくは「核マネー」
財政が厳しい。お金がほしい。
そんな理由から自治体が「核マネー」に
引き寄せられるのだという。
そしてそれに1回依存してしまうと、
まるでドラックの様に抜け出せなくなる。
そんな事を著者は説いています。
私も企業の経営者として
目の前に出されたニンジンに食いつき、
それを追いかけてしまう。
そんな行政の気持ちもわからないでも無い。笑
ニンジンをぶら下げる国政もわからない無いでも無いが、
それが果たしてどれくらい。
国内に貢献出来ることで、
安全神話だけアピールするのでは無く、
どれくらいの頻度で危険なのか。
それを明確化することで納得出来る人もいるんじゃね。笑
そんな事を考えさせられる。
「夕張」と「核マネー」のことばかり書いてしまいましたが、
行政に携わる人達にとって
参考にするべきところは多々あるのかもしれません。笑
10th in March / 92th in 2022