鉄の骨/池井戸潤

中堅ゼネコン入社して4年目。

現場畑から業務課への移動を命じられた主人公。

大学の建築学科を卒業し入社以来現場を担当。

営業を担当する業務課は正に畑違いの部署だった。

着任早々、区役所への挨拶を命じられ、

公共工事の最低入札価格や指名入札業者の数

探りを入れる上司と役人とのやり取りにはらはらする。

業務課が通称「談合課」と呼ばれる部署であり、

談合がなければ建設業界は立ち行かないため

談合は「必要悪」であることを聞かされる。

ワタシも建設業界の人間なので

公共工事の入札制度や仕組みについて

一般の人よりはよくわかっているつもりです。

入札の仕組みは行政機関によりもちろん違う訳ですが、

たくさん色々な方に取材したのでしょう。

描かれている文章はリアルさに溢れています。

特に入札会場の雰囲気や各人の心情の描写がお見事です。

もちろん私も経験したことがあります(笑)

私が経験したことがある落札物件は2億円くらいが過去最高です。

この入札の一瞬でこれから何ヶ月。

社員何人もの生活する元になる給料を捻出するための工事。

その有無が決まる。

これまで費やした労力。もし手の内に出来なかったらどうする。お金の工面は大丈夫か。社員はどう思うのか。様々な考えが頭の中を自由奔放に暴れて、おかしくなりそうになる。(笑)

これはきっと普通の人では味わえない感覚でしょう。(笑)

中堅ゼネコンと言う設定ですので、何もかも私の会社とは規模も違いますが、

建設業と銀行を取り巻く関係性と資金繰り。

それと並行して進む、葛藤する女と男たち。

大変楽しめる一冊でありました。

だいすけ@190dai.com
新しモノ好き。ガジェット大好き。 平成元年から小さい建設会社。今は社長です。小さい会社なので、営業的なことや技術的なこと。除雪もします。ガジェット、カメラ好きが講じ、ネットやPC、Drone好き。外食する時や夜の会合なども多いので、食べ歩きやガジェット。仕事のこと。読書。そして地元のコトを中心に書いて行こうと思います。
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