小説8050/林真理子


「ルンルンを買っておうちに帰ろう」

35年前デビュー作の後に最新作。笑

そんな読書もあってもいいだろう。笑

息子が部屋に引きこもって7年。

このままでは我が子を手にかけ、自分も死ぬしかない。

妻と優秀な娘にめぐまれ完璧な人生を送っているように見える歯科医 。

世間には隠す秘密がある。

有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男。

登校拒否 から始まり7年間も部屋に引きこもる。

始まった原因が「いじめ」だったことを知る。

現状打破?復讐?から裁判を起こすことを思い立つ。

中学時代の「いじめ」が7年後法定の場で争われる真実。

それに至るまでの、家族の葛藤、人間模様。

不安定すぎながらも少しづつ成長する引きこもりの長男。

面白すぎて一気読みです。笑

裁判を進めていく上で、相手側の弁護士が多くなったので、

こちら側ももうひとり弁護士が必要になるのでと、

新しい弁護士を紹介され出身地を尋ねる。

「岩手の宮古 です。津波で実家は流されましたが、高台に逃れた両親は無事でした。近くに住んでいた祖父母は家ごと流されましたし、近所の方もたくさん亡くなりました。被災地に住んでいた者は、みんなそう言うと思いますが、あの震災で人生観が変わったのは確かかもしれません。」

まさかの「宮古」登場でたまげた。笑

その弁護士の名は「槇原祐子」

クリーム色のワンピースに、白いジャケットという服装は、ふつうのOLと変わらない。知的ではあるが、それより清楚な愛らしさの方が印象に残る。

そんな風貌らしい。

変な妄想をしてしまいました。笑

題名には「8050」と書いてありますが、現状ままではそうなってしまう。現状打破しなければという「5020」物語です。

日本でも100万人以上いるという「ひきこもり」

そして表面化されにくい「いじめ」

それらを大変痛感させてくれる「エンターテイメント」です。

大変勉強になりました(笑)