なぜ、沢田研二は許されるのか / 田中稲

 全盛期を過ぎたと、多くの人が思い込んでいた沢田研二が、2023年6月25日、世間の注目を集めることになった。この日、彼の75歳の誕生日当日に行われていたのが、『LIVE2022-2023 まだまだ一生懸命 ツアーファイナル バースデーライブ』だった。

 会場となったさいたまスーパーアリーナのチケットは、1万9000枚が完売していた。

WOWOWによるライブ中継も相まって、Twitter(現・X)には「#沢田研二」がトレンド入り。そのパフォーマンスへの賛辞と、興奮冷めやらぬツイートが途切れることはなかった。

 しかし、この時からさかのぼること5年、同じさいたまスーパーアリーナでのコンサートを、観客動員数の少なさを理由に、開始数時間前に中止したことは、当時センセーショナルに報じられた。そこから見事な復活劇、そして75歳にしてブーム再来。

 本書では沢田研二の音楽に関するエピソードが沢山紹介されていますが、私がとても気になったのは、著者が沢田研二のコントがとてもおもしろくて、好きだったということを紹介している点です。

 確かにむかし、沢田研二はよくドリフと絡んでいた。8時だよ全員集合にもよく出ていたし、ドリフの大爆笑にも出ていた。

 そして著者が大好きだったのは、志村けんとのコントだったという。志村が大スターで、沢田が変な付き人。そんな設定のコントである。わたしはこれを読んだ瞬間、そのコントを思い出すことができた。それくらい面白いコントだったのだろう。

 「スター志村けんの付き人ジュリー」で、検索すればいろいろ出てくるので、みなさん当時を思い出したつもりで是非見てほしい。志村けんさんが逝去したこともあり、より感慨深く笑えることでしょう。(笑)

 そしてコントに登場する歌手として、とても優れていたのが「由紀さおり」だった。そんなことも書かれていましたが、確かにそうでした。ジュリーの本なのに、由紀さおりで締めてやめておきます。(笑)