ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う/風間直樹,井艸恵美,辻麻梨子

 精神医療を取り巻く知らなかった世界。精神病院に入る人は確かに千差万別なのかも知れない。しかし、精神医療を体験した人でこんな事を言う人がいる。

 「医療ではなかったと思っている。収容所のような場所だった。人間が人間を閉じ込めることが出来る世の中は怖い」

 日本の精神医療は「医療及び保護」の名の下に、精神障害者の尊厳を軽視しているという。「強制入院制度」や「医療保護入院」というものが存在する。精神保健福祉法が定める強制入院制度の一つで、本人が入院に同意しない場合でも、家族など1人の同意に加え、同じく1人の精神保健指定医の診断があれば、強制入院させることが出来るという。

 医師の判断のもとに、家族との連絡も取れず、何十年も入院させられる。そんな患者もたくさんいるという。入院を強いられるだけならまだしも、外部との連絡を遮断され、人体を拘束されたり、虐待されるなど。そんな事例もたくさんあり、刑務所以下の生活だと言う患者すら存在する。

 刑期の決まっている刑事事件に対して、医療保護入院には入院期間の定めがない。キッカケは些細なことからでも始まる。摂食障害や発達障害。曖昧すぎる総合失調症など。

 本人は意識がなくとも周りの人が判断し、精神科医が診断。そして家族が同意すれば、いつ自分にも訪れるかも知れない収容所生活。

 スマホはもちろん、本の持ち込みも許されず、もちろん外部との連絡は禁止。食事を取らなければ管で入れられる。薬はどんどん増やされ中毒に。医師の指示に従わないと、人体は手足頭の5点拘束される。

 パイプカットしなければ退院させない。そんな入院を強いられた事例を紹介しています。すべての精神医療がそう言うわけではないと思いますが、どこかでお金のために患者が利用されている。そんな図式が垣間見ることができました。


 家族の同意があれば、強制入院させられるという。外部との連絡も取れない位なので、もちろんお酒は飲めないはずです。家族。特に嫁には注意。そして優しくしたいと思います。

4月32冊目_2025年103冊目