やっぱり高血圧はほっとくのが一番/松本光正

 なぜ、みなさんはそんなに血圧を心配するのか。患者だけではない。医師も患者さんの血圧を下げるため薬を飲ませたがるのか。

 それは患者も医師も血圧というものを「正しく」理解していないからだという。著者は患者に対し、「血圧の薬を飲んではいけない」「血圧なんて心配することはない」と言い続け納得してくれる人がいる反面、その何倍もの患者は、いくら説明しても薬を欲しがり、自分で血圧を測るのを止めようとしない。「血圧心配症」から抜け出せない。

 血圧は下げたほうがいいか。血圧は低いほうがいいのか。著者はそれに対し大いに疑問を抱き「あなたの血圧はそのままでいい」と本書で説いています。

 あなたの身体はいつでも「今が最良」症状が出るのは、身体が「今が最良」と示すサインだと言う。

 確かに、体力は落ちていく。内蔵や血液、様々な器官は老いて行く。しかし、それに反応するため、「今の自分」に対応するため、自らが高血圧などの対策をしている。今の自分に一番適合しようとしている症状だけを「悪」とするのか。

 本書でも書かれていましたが、風邪で発熱するのは体に必要があって出ているだけであって、無理に熱を下げようとするべきでは無いという話はよく聞く。

 私もその様に思っているタイプだが、妻の「薬飲まなきゃ治らない教」に屈して「熱冷まし」などを飲んでいる。風邪の発熱 に限らず、嘔吐、下痢、高血圧、糖尿 など。身体に起きていることで無意味なことは一つもない。

 目の前で起きている症状だけ改善しても無意味だと言う。最適な血圧の目安は「年齢+90」だという。私は「56」なので「146」。実は私も降圧剤 を処方されているが、ほとんど飲んでいない。笑

 160くらいまではなんとも無いと思っている。私は身長190cmあるが、150cmのおばあちゃんと同じ基準値なのは、納得が出来ないと昔から思っていた。笑

 本書では、そもそも血圧の測定方法に基準が無いのがおかしいと書いてありました。朝起きて家で測るのと、病院で看護婦さんに測られるのと、体の疲れ具合、精神の状態、その時々で最高のパフォーマンスが出来るよう、血圧がコントロールしている。

 それなのに、その測った瞬間の血圧で「高血圧」というレッテルを貼る。私の知り合いで献血の時、女性に血圧を測ってもらったら「200」を叩き出した人がいた。よほど、好みだったのだろう。笑

 降圧剤を飲んでいる痴呆症の患者に、降圧剤の処方をやめるよう指導したら、痴呆症が改善した事例が紹介されていました。脳のフル回転出来ない人に、血液の行く量の制限解除。妙に腑に落ちる。笑

 私はなおさらデカイので脳に血液を送りたい。これ以上、物忘れを進行させたくない。「高血圧=悪」そんな考えは捨てようと思います。

4月19冊目_2025年90冊目