2020年菅首相が就任した際、「2035年までにガソリン車の新車販売の全面禁止」という突拍子もない目標を発表した。日本の自動車メーカーに衝撃が走り、それは政府による日本の自動車産業に対しての「死刑宣告」も同然だったいう。
低燃費のガソリン車や、ハイブリットを世界にむけ、席巻した日本の自動車メーカーに対し、何故、ダメ出しをしなければならないのか。
そんな菅首相の発言に対し、当時トヨタの社長だった豊田章男氏は、日本はすでに電動化が世界でも最も進んだ国でもあり、世界一のノルウェーに次いで電動化は35%、台数では世界一であり炭素排出量も大幅に削減が進んでいると提言した。
しかし、メディアが報じたのは「トヨタの負け犬の遠吠え」的な報道が多かった印象がある。しかし、真実は違っていた。
トヨタのハイブリット技術に、敵わない欧州勢が電気自動車でなければダメ。ハイブリットもガソリン車扱い。そんな世界標準を主張し、電気自動車を推進していくが、押した欧州勢は全く儲けることが出来るどころか、中国の利潤を押し上げてしまった。そんな構図だろうか。
本書では、「EVはガソリン車よりCO2を排出」するだとか「自動運転車にひき殺されてもメーカー無罪」だとか、メディアがちやほやしそうな新技術について、警笛を鳴らしています。
「電気自動車=エコ」「エンジン=環境破壊」そんな風に思っている人は多い。しかし、エンジンは溶かせば再資源化出来るのに、バッテリーも太陽光パネルも、再資源化出来る技術は確立していない。
わたしはたくさん本を読んでいるので、知っているけれど、みなさん冷静に考えて欲しい。そんなことを提言してくれる本書でありました。
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