日本の10大カルト/ 島田裕巳


 歴史の教科書に出てくる言葉があります。「キリスト教の弾圧」や「キリシタンの弾圧」など。キリスト教は世界でも新興者が多数いる宗教ですが、少数派の時は世間から煙たがれていた時期もあったという、そんな事実が存在しま 

  す。

 本書で紹介されている、カルト宗教は次のとおりです。

・旧統一教会(世界平和統一家庭連合)

・オウム真理教

・エホバの証人

・顕正会(冨士大石寺顕正会)

・浄土真宗親鸞会

・幸福の科学

・サイエントロジー

・ライフスペース

・パナウェーブ研究所(千乃正法会)

・法の華三法行

 現在、メディアで注目されているのは「旧統一教会」ですが、それは安倍元首相の殺害に関することで取り上げられていることが大きいですが「オウム真理教」がメディアから取り上げられたときより少し静かな印象です。

 統一教会は自民党と関与している事実はありますが、オウム真理教は政治の中枢と関与していないからこそ、統一教会よりメディアの攻撃を受けたという、そんな事実を少し理解するべきなのでは無いかと考えさせてくれました。

 本書を読んで知れたこととして、マイケル・ジャクソン はエホバの証人の元2世だったという。ウィキペディアには、「母キャサリン・ジャクソン はエホバの証人信者で、マイケル自身も同様であり、その活動の一環である家庭訪問はThriller発売後も行っていた」と記載されているようです。笑

 連立政権の公明党の支持母体は創価学会です。連立与党の一角を担う団体として、宗教団体があるのはどうかと思いますが、創価学会も信者が少数だった時は、今の言葉で言えば「カルト宗教」と言われてもおかしくない時はあったのでしょう。

 少数であれば「カルト」と呼ばれ、規模が大きくなると「ちゃんとした宗教」と認められる。そんな民主主義は正しいのか。そんなことを考えさせてくれる1冊でありました。

 せっかく本を読んだので、みなさんが忘れているであろう「ライフスペース」について触れておきます。

 成田ミイラ化遺体事件は、1999年、千葉県成田市のホテルで発生した殺人・保護責任者遺棄致死事件です。自己啓発セミナー団体であるライフスペースの高橋弘二は、頭部を手で軽く叩く「シャクティパット」と呼ぶ方法で病気を癒すことができると喧伝していた。これを信じた男が、高齢の家族を病院から連れ出し、成田市のホテルで高橋によるこの治療法を試みた。この家族はそのまま死亡したが、高橋はこの家族はまだ生きていると主張し、男をはじめとした周囲もこれを信じた。

 ホテルから「4ヶ月以上も宿泊している不審な客がいる」と通報を受けた成田警察署署員が、ホテルの部屋を捜索してミイラ化した遺体を発見した。

 事件の異常さや、高橋が記者会見で「定説」として「(被害者は)司法解剖されるまで生きていた」などと主張したことから、ワイドショーなどで大きく報道された。

 翌2000年に高橋と男を含む11名が保護責任者遺棄致死で逮捕され、高橋が殺人で、男が保護責任者遺棄致死で起訴された(残りの9名は起訴猶予)。

 裁判でライフスペース側は無罪を主張して争ったが、執行猶予3年の判決で確定。高橋は、裁判でも「定説」を訴えて争ったが、1審で懲役15年、2審では不作為犯と認定され懲役7年の判決を受けた。高橋は上告したが、最高裁判所は棄却し、懲役7年の判決が確定。

 高橋は事件を受けて記者会見を開くも、人が死んで、しかもその死に方がかなり怪異的(ミイラになっている)な一般的には大事件にもかかわらず、以下に挙げられる荒唐無稽な主張を繰り広げたため、会見に集まった記者や撮影陣から失笑、大爆笑の渦が起こった。

 警察がホテルに家宅捜索に入った時点では被害者は生きていたと断言。被害者の死因は司法解剖をしたことが原因。自分の体内には血液は巡っておらず、空気が循環している6000年前から自分はサイババと関係していた。

 上の主張を述べたあと、サイババ自身が(高橋との)関係性を明確に否定した件を交えて記者が真偽をただした際「いいですか、それはサイババの勝手なんですよ」と意味不明な回答を行う。

 記者会見はYouTubeで見ることが出来ます。爆笑会見なのでぜひ皆さんに見てほしいと思います。笑

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