巷では人口増加や気候変動により、近年、世界的な食料不足になるのではないかと、問題になっているが、ロシアのウクライナ侵攻で、事態は一気に深刻化した。
小麦は、ロシアとウクライナで世界の3割を生産しているため、世界の穀物価格は高騰し、途上国では暴動も勃発しているという。日本はどちらの国からも小麦は輸入していないというが、そんなことは関係ない。ロシアとウクライナから買えなければ、どこかの国から調達しようとする国がいるから高騰する。単純な原理です。
一番顕著に感じるのは、ラーメンが高くなった。笑
食料の多くを輸入に頼る日本でも、憂慮すべき事態が進行している。長きにわたる減反政策で米の生産が大きく減り続け、余剰もなければ備蓄もない。台湾有事などの軍事危機で海上交通路を破壊されたとき、国は国民にどうやって食料を供給するのか。
日本は有事において武力攻撃ではなく「食料不足で壊滅」するという。国民の半数は餓死するとまで書いてありました。
その責任は米や麦を減反させ続けた、JA、農林族議員、農水省だと述べています。何もない平時から、たくさんの米や穀物を生産し備蓄したり、輸出できる国になっていれば、いざというとき慌てなくてもいいといった感じだろうか。
自分の食料が無くなりそうな時に、人に譲ってあげるお人好しなどいない。自分の食料が十分あるからこそ、人に分けてやろうと思う事ができる。
著者は元農林省職員で非常に説得力のある1冊です。現職の時に農協批判をして左遷されたときがあるという。過去に著者の「農協の大罪」を読了済みですが、しばらく前なので、違う本も含めて再度読み返してみようと思います。
5月16冊目_2024年106冊目