アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち / 鈴木忠平


鈴木忠平さん4冊目です。前書3冊は

『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』
『虚空の人 清原和博を巡る旅』
『清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実』

どれも自信を持って人に推薦できる本でしたので、

本書も良書だろうとは思っていましたが、

まさに正解でした。笑

日ハムが新しい球場を作って、本拠地を移動させた。

その程度にしか思っていませんでしたが、

裏では様々な男たちの壮絶なドラマが隠されていた。

ノンフィクションですが、映画化やドラマ化しても、

とても感動させてくれることでしょう。

たぶん、なると思います。

それくらい、本書は躍動感と臨場感が凄いです。

特に臨場感は、前書も全てそうでしたが、その場にいて

『脇で見てたんじゃね?』と突っ込みたくなるレベルです。

日本ハムファイターズが札幌ドームを離れる決断。

新たな球場の建設地を北広島に定めるまで。

それに関わった日ハム本社と球団関係者。

北広島・札幌両自治体の職員。

200万人の大都市札幌と、6万人にも満たない北広島市。

白い何も無いキャンパス北広島市を新天地に定めた。

新庄に監督を依頼する場面がありました。

ファイターズのある球団幹部がトライアウトを終えたばかりの新庄に電話。 「大事なお話があります。」翌日、東京・日比谷の帝国ホテル。料亭のテーブルを挟んだ新庄に幹部はこう告げた。

「2022年、新庄剛志がファイターズの監督になるためには、何をすればいいか。今から1年間かけて考えてください」

幹部の言葉に球界のスターもさすがに一瞬、絶句。こう問い返した。自分のどこを見て、監督にしようというのか? 幹部は新庄に言った。

「あなたがファイターズの選手だった頃、あなたのグラブを見たことがある。あれを見れば、あなたがどんな野球人なのか、どんな人間なのか、分かります」

新庄はそれを聞いて腑に落ちた。その後の一年間、一軍も二軍も問わず、人知れず全国各地の球場に足を運んだ。 新庄は阪神タイガースに入団した18歳から引退する34歳まで、新人選手の初任給で買った7500円のグラブを何度も修理して使い通した。補修痕だらけのそのグラブはチームメイトにさえ決して触らせなかった。

メジャーから戻り日ハムに入った新庄。

「勝ち負けだけでは無く、お客さんを楽しませなければ」

その時の関係者や北海道に与えたインパクトが、

日本のプロ野球界には欠落していたものを提案した。

それが、「エスコンフィールドHOKKAIDO」と、

周辺エリアを含めた「北海道ボールパークFビレッジ」に繋がった。

そんな印象を受けました。笑

たまたま今日、「日本ハムが就任2年目で1年契約を結んでいる新庄剛志監督に来季の契約延長をオファーする方針であることが14日、分かった。」そんなニュースを目にした。

2年連続リーグ最下位もほぼ確定気味ではあるが、

しばらく新庄監督は続き、きっと日本一になるまでやらされるのかも知れない。そんなことを感じました。笑

そして本書を読んだ人は、必ず思うことがあるはずです。

1つ目は「北海道ボールパークFビレッジ」に行ってみたい。

2つ目は、粗挽きウィンナーは「シャウエッセン」

今日は「シャウエッセン」で飲みたいと思います。笑

15 th in August / 231 th in 2023