アフター・アベノミクス: 異形の経済政策はいかに変質したのか / 軽部謙介


こんな書き出しから始まります。

【アベノミクス】 2010年代の日本を規定した経済政策。12年の総選挙で返り咲いた自民党の安倍晋三首相(当時)が主導した。「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」という三本の矢を放ち、デフレを解消し、長期停滞が続く日本の再浮上を狙った。日本銀行が大規模な金融緩和策を実施。株高、円安などが現出し雇用状況も改善したが、安倍首相の在任中、目標の物価上昇率2%に達することはなかった。

将来の辞書にアベノミクスはこう紹介されるかもしれない。笑

安倍総理や、黒田日銀元総裁など、

アベノミクスに関わった多くの人たちの

発言や、会合でのエピソードや発言内容など。

とても丁寧に綴られています。

単純に、金を注ぎ込めばなんとかなる。

そう考えたアベノミクス。

金を入れても入れても効果が出ない。

現状維持がやっとのところ。笑

それでも十分凄いことだと、個人的には思う。笑

良く言えば、「試行錯誤」

悪く言えば、「行き当たりばったり」

入れすぎた金でどんな副作用が出るのか。

怯えているところにコロナ到来で思い出した、

忘れていた財政健全化。笑

本書で感じたのは、元首相は世間のイメージより

経済に精通していた印象ですが、

日本を日銀と国債と印刷した紙幣で

こねくり回すような実験台にしたのは確かです。

本当の意味でこのツケや副作用は、

10年、20年経たなければわからない。

日本はどこに向かうのか。大丈夫なのか。

そんなことを感じさせてくれる内容でありました。

21 th in June / 170 th in 2023