垣谷美雨さんが止まらない。9冊目です。
いったい彼女に今月、いくら貢いだのか。笑
有名大学を卒業して入社した中堅の会社が倒産。派遣で働き、正社員にならないかと打診されるかと期待するも派遣切り。その日に同棲していた彼氏から、別れを切り出され露頭に迷う。そんな時にテレビで写った農業女子に引き込まれ、自分でも驚くような行動力がみなぎって来る。
結婚を拒んだ同棲生活は、どこかに逃げ道があると言う安心感。
その安心感が喪失すると、苦難が次々と主人公に降りかかる。
住居、身内、友人、知人、そしてお金。全てが足りない危機的状況。
主人公の名前は「久美子」
嫁と同じ名前と言うこともあるのか。垣谷美雨さん過去イチ良かった。笑
若い女が農業に向かうという、微笑ましい今どきの話題で、のほほんと出来るのとかと思えば違う。垣谷美雨さん得意の社会問題を物語の中に浮き彫りにしていくと言う、素晴らしい展開です。
社会や行政は新しい農業従事者を望んでいる。しかし実際は、拒むオールドエコノミーが存在する。しかし、それらをくつがえす「おせっかいババア」も存在する。
よそ者を拒むもの。おせっかいすぎるほど応援してくれる年寄。
自分が田舎にいるからからだろうか。
登場人物に当てはまりそうな、人物が想造出来る。笑
明るく楽しく農業に挑んで行く女の話ではありません。
メディアの報じるものでは感じ取れなかった、社会問題をたくさん感じることが出来る。そんな本書でありました。
主人公は就職後、会社倒産で派遣。同棲しているパートナーに求婚されたが断ったことに悔いがある。その他の登場人物も、波乱万丈な人生の経験で、自分の行動に悔いる言動が沢山ある。
その中で感じたこと、
主人公を始め、今まで生きてきた人生で学んだこと。仮にそれで失敗したと思ったこと。それらに無駄は無く、これからの自分にとっては糧にしかならないのでは。そんな勇気を頂くことができました。
何事でも今を一生懸命にすれば、何かしら自分の将来に役立つ。
なんでも良い。一生懸命になれることは、一生懸命になったほうが良い。
私の言う意味がわからないなら、本書を是非読んでほしい。
新聞記者からブロガーに転身した女や、
バツイチの女に、とても共感できると思います。笑
映画化するにあたり、私が配役の権限があるならば、バツイチ女は「相川七瀬」にお願いしようと思います。笑
21 th in October / 289 th in 2022