著者はこんな風に説いています。
不倫は危険。ひとたびバレれば、容赦なくマスコミやネットで叩かれる。社会的信用や家庭を失い、慰謝料など経済的なリスクも多大。しかし、失うものが大きいとわかっているはずなのに、なぜ多くの不倫カップルがいるのか。
脳科学の進歩により「人類の脳の仕組みは一夫一婦制に向いているわけではない」ということがわかってきた。
人類の祖先を含む哺乳類の多くは一夫多妻や乱婚だった。
一夫一婦制が人類社内に根づき「不倫=悪」という倫理観が出来たのは、長い進化の歴史から見るとごく最近のこと。
今でも私たち人類の約5割は「不倫型」の遺伝子を持っているという。
気になるこんな記述があった。
霊長類のオスのペニスの大きさは、ゴリラは3センチメートル、オランウータンは4センチメートル、チンパンジーは8センチメートル。対してヒトは13センチメートルあり、他の霊長類に比べて相当に大きい。やはり人類の祖先のオスも、メスが浮気していることを前提として、他のオスの精液を搔き出す方向に進化してきたのではないかと考えられる。こうした点から検討してみても、人類の祖先は一夫一婦型の性生活を送ってこなかったと考えるほうが自然ではないでしょうか。
なぜあんな形状なのか、考えたこともなかった。笑
男という性の本能が、自分の子孫を残すため、
自分より先客の精子を掻き出し、自分の精子をより置くに入れるため。
だから「返し」がついているのか?
そんなことを考えさせられ、大変勉強になりました。笑
本書は脳科学における科学的根拠をもとに、不倫をめぐる謎を解明してくれます。興味深い動物実験、現在では禁じられているそんな危険な実験事例など。加えて歴史に残る不倫物語なども豊富に盛り込まれ、美しすぎる脳科学者「中野信子」恐るべし。笑
そんな1冊でありました。笑
2th in July / 182th in 2022