水力発電が日本を救うー今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせる/竹村公太郎

明治31年(1898年)来日した
アメリカのグラハム・ベルはこう言っていた。
日本は豊かなエネルギーを保有している。

山の多い国土と雨の多い気候。
そこでこう結論したという。
「日本は雨が多い。この雨が豊富なエネルギーをもたらす」

原子力を否定する気持ちも、

火力を否定する気持ちもないという著者。

ただ、言いたいのは、50年後、100年後、

そして200年後の日本にとって、

水力発電は必ず必要になると力説する。

石油は100年後、200年後に存在するのか。

純国産エネルギーである水力発電の価値。

日本のダムは半永久的に使えるという。

築造から100年以上経つダムが日本には存在する。

しかしこれほど地震がある日本で

ダムが壊れたと言う

報告は存在しない。

それくらい強固な作りになっているのだという。

100年経ってもダムは水を貯めている。

ダム湖の水は電気に変換できる。

ちょっと手を加えるだけで、

現在の水力の何倍もの潜在力があると言う。

多くのダム湖の水は半分くらいしか貯まっていない。

「利水」と「治水」

利用するためにはたくさん貯めたいが、

流域を治めるためにはキャパは残したい。

それらは「多目的ダム法」による規制。

この法律は昭和32年に制定されて以来、

根本的には一度も改正されていない。

現在の天気予報の精度から考えると、

ダムの有効利用が出来ていない極みだと言う。

水が流れたり、落ちている風景など、

日本にはたくさん存在する。

そこには存在するエネルギーがたくさんあるのに、

全く利用されていないものが多い。

筆者はそれらから得れる可能性がある

小規模水力発電の普及を説いています。

トヨタやホンダは水素利用を視野に入れている。

水から水素を得るには水を電気分解する。

水の流れがあるところでは水力発電が可能である。

日本で水の流れがない地域はない。

それを使用しない手は無いのでは無いかと著者は説く。

セルフ発電といえばソーラー発電がすぐ思いつく。

しかし私の身の回りでは太陽のパワーに負けないクライ、

ただただ流れる山間部で急流の流れが存在する。

なにかビジネスチャンスに通じるものでは無いのか。

そんなことを考えさせられ、

大変勉強になりました。笑

15th in April / 114th in 2022