本書は2025年の本屋大賞で第5位の作品です。
1位: 『カフネ』阿部暁子
2位: 『アルプス席の母』早見和真
3位: 『小説』野崎まど
4位: 『禁忌の子』山口未桜
5位: 『人魚が逃げた』青山美智子
6位: 『spring』恩田陸
7位: 『恋とか愛とかやさしさなら』一穂ミチ
8位: 『生殖記』朝井リョウ
9位: 『死んだ山田と教室』金子玲介
10位: 『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈
1位、2位、9位、10位は読了済みなので、本書は2025年本屋大賞ノミネート、5冊目の読書となります。ノミネート作品は、どれもこれも本屋の店員が選ぶだけあって、どれもこれも秀逸な作品ばかりです。
ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始める。
そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。
元タレントの会社員の友治(トモハル)と、高級クラブママの理世(リヨ)が付き合っている設定なんですが、お互い別々の視点で語られています。見栄っ張りな友治がしたことが、理世から見ると、そのへんが不安要素になっているあたりなど、とても印象的でございました。
本書はオーディブルで聞きましたが、「ともはるく〜ん♥」という、甘いフレーズがたくさん出てきます。知り合いの「ともはるくん」が頭から離れず、どうしても理世に同調することが出来なかったのは、少し残念でした。(笑)
5月14冊目_2025年134冊目