汝、星のごとく/凪良ゆう

 本書は2023年本屋大賞受賞作、本屋大賞関連、読書の連鎖が止まりません。(笑)

 【第168回直木賞候補作】【第44回吉川英治文学新人賞候補作】【2022王様のブランチBOOK大賞】【キノベス!2023 第1位】【第10回高校生直木賞候補作】【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】【今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】【未来屋小説大賞 第2位】【ミヤボン2022 大賞受賞】【Apple Books 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】など。賞&ノミネート&ランクイン多数。輝かしい経歴です。

 とても切ない、そんな愛の物語です。風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。

 ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。

生きることの自由なのか不自由なのか。よくわからない、とても複雑な愛の物語です。

 父が女にのめり込んだ暁海。しかしその女に父同様惹かれていく暁海。男をとっかえひっかえするまさに駄目女を母に持つ櫂。

 そんな特異な事情を抱える二人が惹かれ合って行く。そんな二人に接してくる不思議な大人たち。

 物語としては複雑に噛み合っていますが、基本的には男女二人の物語です。結末はネタバレになるので書きませんが、本書でとても印象的なことがあります。

 出だしのエピローグで綴られている文章と、最後のプロローグで同じ文章が綴られています。エピローグでは信じられない、そりゃ〜駄目だろう。そんな風に思っていた事柄が、プロローグでは、それはしょうがないよなぁ〜と、思わせてくれるという、不思議な体験をすることが出来ました。

 小説を読むといつも思いますが、こんなことを想像できる小説家って、ほんとすげぇ〜なぁ〜と、思わせてくれる本書でありました。

5月7冊目_2025年127冊目