日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか/矢部宏治

 日本はアメリカに守られているので安心。そんな風に漠然と思っている人はワタシも含めて多いだろう。しかし、実際の闇はディープ過ぎた。そんな印象です。笑

 「日米安保」や「日米地位協定」。言葉としては耳にタコが出来るくらい聞いている言葉なのに、改めて知ろうとはしていなかった。そんなことを悔いるくらい興味深い内容でありました。

 これほど日本はアメリカのいいなりだったのか。沖縄の上空。どこでもアメリカ軍は飛べるという。しかし、アメリカ人の居住地域上空は禁止されているという。

 実際、日本人の居住地域に墜落した事例はたくさんある。そして墜落現場はアメリカ軍の管理下になる。

 なぜ戦争で皇居は攻撃されなかったのか。日本を占領したあとに日本人をコントロールするためには、天皇の存在は不可欠だった。そんな記述がありましす。

 タイトルにもある「原発」にはあまり触れていない。よく「原子力村」と言う言葉が登場する本がある。

「原子力」と言う限られたコミニュティに「情報」や「富」が集まる状況をそんな言葉で表現する。

 本書で登場する「安保村」。「原子力村」より重症では無いのか。そんなことを考えさせられる。

 他国の軍隊が在中しているのは「独立国」として認められないのは国際的に当たり前。かつてアメリカに敗戦した、フィリピン、ベトナム、イラク。

 戦争終了後、何年かあとにはアメリカ軍を撤退させている日本には戦後70年もアメリカ軍が在中する。国際的にみて異常な状態なのにも関わらず、新聞、テレビは伝えない。

 新たな視点を感じ取れることが出来て、大変勉強になりました。

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