後悔病棟 / 垣谷美雨

 先日、垣谷美雨さんの「希望病棟」を読みましたが、本書その前段となる作品のようです。「希望病棟」で主人公の「黒田摩周湖」がエピローグで登場し、聴診器を手に入れる前のエピソードが紹介されています。

 33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ悩んでいるが、ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の「後悔」が聞こえてくる。

 展開は「希望病棟」とほぼ同じ感じですが、前書は「希望」がテーマで、本書は「後悔」がテーマと、まさに本の題名のとおりです。

●dream―千木良小都子(33歳)
母は大女優。「芸能界デビュー」の夢を諦めきれなくて。

●family―日向慶一(37歳)
俺はもうすぐ死ぬというのに、なぜ妻は金の話ばかりするのか。

●marriage―雪村千登勢(76歳)
娘の幸せを奪ったのは私だ。結婚に反対したから、46歳の今も独り身。

●friend―八重樫光司(45歳)
中三の時の、爽子をめぐるあの事件。俺が罪をかぶるべきだった。

 Amazonの紹介文からコピペですが、所詮、私の読書メモなので、お許しください。(笑)

 私も含めて、世の中の大抵の人が、寿命を全うできる前提で生きています。もし自分が、あと数ヶ月で死ぬとなったら、どんな「後悔」が思いつくのだろう。家族にたいしてなのか、友人にたいしてなのか、自分の行動にたいしてのことなのか。

 いつそうなっても後悔しないよう、毎日をしっかり生きなければならない。そんなことを思わせてくれる本書でありました。

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