希望病棟 / 垣谷美雨

 垣谷美雨さん、小説を11冊読んだあとの12冊はエッセー集。本書は13冊目。垣谷美雨が止まらない。笑

 Amazonの本の紹介文はこんな感じです。(笑)

 神田川病院に赴任したばかりの女医・黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。先輩のルミ子に促され、摩周湖が病院の中庭で拾った聴診器を使ってみると、患者たちの“心の声”が聞こえるようになる。

 母親に捨てられ、児童養護施設で育った桜子は、大人を信じていない。代議士の妻の貴子は、過去に子供を捨てたことがあるらしい。

 摩周湖の勧めで治験を受けた桜子と貴子は快方に向かい、自分の人生を生き直すことに。大学に進学するお金がなく進路に悩む桜子、選挙にしか関心のない夫と姑を嫌悪する貴子。孤独と生きづらさを抱えてきた二人は、どのような道を歩み始めるのか。

 垣谷美雨さんの小説で共通するのは、社会に存在する問題を提起し、それを解決して行くようなストーリーが多いですが、本書で取り上げているのは「貧困」と「ネグレクト」でしょうか。

 貧困とネグレクトから、女性が風俗に入っていくことは実際あるし、そんなことが書かれていくストーリーはよくあるハナシです。

 本書では、女性の貧困を救うために、自ら風俗店を経営しようと奮闘する、衆議院議員の妻が描かれています。そして夫は厚生労働大臣になりますが、そのあたりは垣谷美雨さん独特のコミカルな感じを垣間見ることができました。

 医療系のことや、風俗のことなど、さまざま取材されて書いたのだろうと、そんなことをとても関心させられた一冊でありました。

2月13冊目_2025年24冊目