過去に地政学は攻撃的な国家拡張政策や、特定の国の優越を主張する物語を支持するために使われたことがあり、そのため禁止されていた時期があったという。日本においても、戦後は禁止となりタブーな学問となった。
戦前日本の地政学が、ドイツ地政学を導入することにより、大東亜共栄圏を根拠付け、日本の膨張政策を推進したとして、戦後 GHQ により禁止されタブー視された。
しかし今日では、地政学を理解することにより、世界のリスクを理解し、そして戦略を立てる上で非常に重要な役割を果たしていると認識されている。
国家間の争いだけではなく、企業がグローバルな活動をするうえでも、地政学を使う必要があり、地政学を政治だけの枠を超えて経済を含む地経学と言われるようになった。
地政学を身につけたら世界のどういった事がわかり、見えたりするようになるのか。そんなことがさまざまと書かれている本書です。
現在起きてるロシア・ウクライナ情勢。どこか遠いところで起こっているという、そんな印象を持つが、平和に暮らしている日本であっても他人事ではない。
地政学の本を読んでいると必ず出てくる「ランドパワー」と「シーパワー」なんとなくは理解していましたが、本書を読んでより理解することが出来ました。
「シーパワー」を代表する国である日本とイギリス。そして後から台頭してきたアメリカ。如何に日本は地政学上優れているか。なぜロシアは北方領土を返さないか。沖縄を返還してもらえたのは如何に奇跡的だったのか。そして台湾の重要性。
テレビの報道などうのみにしないで、自分でさまざまなことを考える、そんなキッカケをもらえるような本書です。
解説にイラストが添えてありますが、それが非常にわかりやすく、読みやすく理解を深めさせてくれる印象です。歴史の背景についても詳しく説明されているため、世界の国が抱える問題点やその原因についても知ることが出来ました。
ますます地政学に興味が出てきたので、また違う本も読んでみようと思います。
6月10冊目_2024年125冊目