これからの農業は組織で勝つ -売上5000万・1億・3億円を突破する農家の人材育成・組織づくり- / 藤野直人, スター農家H 


 著者は、農産物流通で農家を支え、農産物のプロデュースから流通、そして本の題名にもある「組織づくり」を支援されている方のようです。

 農業経営者とのかかわりや、自分の目で見て体感してきた組織作りの体験から見出した、成功パターンについて様々と書かれています。

 本文では「パイセンH」とのやり取りという、すこしユーモアを交えた感じの語り口ですが、農業経営の本質についてとてもわかり易く紹介されており、農業法人という組織について漠然と考えていた私のようなものにとって、とても参考になることがたくさんありました。

 「数値化からはじめなさい」とそんなことが書かれていた。生産から採用。数値はあとからついてくるものでは無く、数値化がなければ、何も始まらないという。

 努力の結果では無く、結果ありきの努力。そんな感じだろうか。人が欲しい理由で、採用するのではなく、まずは何をするべきか。目指している数値はどこか。

 私も一応、会社を経営しているので、そんなロジックは参考にさせて頂きたいと思います。笑

 こんなことが書かれていた。

 家族経営で目いっぱいやれば、売上3000万円くらいにはなる。それが悪いわけではない。農家の場合、だいたい3分の1が手残りなので、夫婦や親子で1000万円の収入を得られるのなら立派なもの。

 そこから組織づくりの決心をし、人を雇用し、法人化することで売上が5000万円を超えていく。そして1億円を超えたあたりで、法人化や規模拡大によるメリットを享受できるようになる。

 ただし、農業で生産部門や選果・調製部門、加工・6次産業化部門、管理部門の役割分担がきちんとでき、パート、社員、現場リーダー、経営幹部の体制も整い、組織が自動成長していき、農業経営者として経済的にも時間的にもゆとりが持てるレベルは3億円。本書に繰り返し登場する「5000万・1億・3億を超えていきましょう」という言葉には、そういった意味がある。

 年商3億で安泰らしい。ほぼ無理だと思いますが、なにか小銭でも稼げないか、試行錯誤してみようと思います。笑

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