日本が消失する 国民の9割が気づいていない、一瞬で壊れる平和 / ケント・ギルバート


 始まってから2年以上経っても終わることのないロシアによるウクライナ侵攻。日本もウクライナのように、ロシアや中国から侵攻される可能性もあるという。

 なぜ、日本は侵攻される対象になるのか。どうやって侵攻されるのか。地政学的観点からさまざまに解説されています。

 本書に限らずさまざまな本に書いていますが、中国やロシアにとって太平洋に出るためには、日本はとても邪魔な位置にあります。中国にとっては台湾もあれば沖縄にはアメリカ軍がいる。ロシアにとっては北海道より北は冬に凍る海がある。

 中国が台湾、ロシアが北海道に侵攻してもおかしくないことは、地政学上自然な流れ。そんな日本がおかれた状況を、私達はどう考え、どんな行動をするべきなのか。

 「台湾有事」という言葉をよくニュースで耳にします。なにか他人ごとと思っていないだろうか。「有事」というなにか曖昧な言葉で片付けられていますが、実際起きることは中国と台湾の戦争です。もちろんアメリカは参戦するでしょう。

 台湾の軍事施設が攻撃を受ければ、沖縄の施設が利用されることは間違いないだろう。台湾から日本に、難民もたくさん来日するでしょう。著者は「台湾有事=沖縄有事」といっています。日本人はあまりにも平和ボケしていて、迫りつつある危機を見極める能力が麻痺している。もっと危機感を持つべきだという。

 戦後の日本は、幸運にも穏やかなアメリカの統治を経験したため、戦争になれば降伏してしまえばよいと思っている。しかし、ロシアや中国の支配下におかれたら、悲惨極まり無いだろう。

 戦争がなければ平和。そんな風に漠然と教育されている日本。どうすれば戦争にならないのか。軍事費を強化するとそんな報道があると、まるで戦争を準備しているかのような論調が出るが、攻撃され無い国になることが重要ということです。

 アメリカが助けてくれるから大丈夫。そんな風に漠然と思っている人は多い。今のウクライナをみて感じないだろうか。ウクライナの人が犠牲になっているから、援助したいとみな思い行動する。日本が侵攻され、日本人は犠牲者もいないのに、アメリカが助けに来ると思うのは、甘ったれもいいところでは無いだろうか。憲法改正も含めた法整備、軍備強化も含めた核保有も検討する時代になったのかもしれませんね。

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