はじめて家を買う予定がある人なら、その前に本書を読むのをおすすめしたいと思います。笑
日本にはマイホーム神話というものがある。
国が税収を増やし、大手企業が利益をあげるために作られた人生モデル。良い大学へ入って一流企業に勤め、結婚し、子どもを作り、家を建てて、マイカーを買い、退職まで勤め上げて、退職金で住宅ローンは完済。その後は年金で悠々自適な暮らし。
家を買えば家電や家具が必要になり、家電メーカーや家具メーカーは儲かる。また家を買ったり、建てたりすれば、建築業界・不動産業界が儲かる。さらに住宅ローンを組むので、銀行が儲かる。
本書ではたくさんの問いかけをしてきます。笑
住宅ローンについてどの程度知っているか?
住宅ローンの金利が上昇したら、どう対応するか?
不動産の税制について、どの程度知っているか?
買った不動産のリアルな市場価値を知っているか?
メンテナンス費用を想定しているか?
将来その不動産をどうするか?
子供は引き継ぐか?
売却できるか?
家族形態の変動は想定しているか?
収入が途絶える場合を想定しているか?
日本人は家を持ち続けることを大事にする価値観を持っている方が多く、家を売るということを念頭に置かないで、家を購入してしまう方が多いという。
家を買うということは住宅ローンという負債を背負った上で、資産を手に入れているわけで、ローンを利用して購入した場合それは自分の持ち物ではない。
普段どう使うかを自分で決められるだけで、売却する際には住宅ローンを借りている金融機関にお伺いをたてなければならない。
家を買おうと思ったときは、夫婦でお互いになぜ家を買うのか。漠然でかまわないので次のことを書き出し、話し合ってみると良いと言う。
どんな家に住みたいのか。
どんな場所に住みたいのか。
5年後、10年後のライフスタイル。
お互いの価値観の違いを浮き彫りにするため、別々に書き出した方がいいという。
家を買う場合の価値観は人それぞれで、育った環境や、親の影響もあり、すべてを一致させることは難しい。
しかしお互いの価値観をすり合わせる作業は非常に大事であり、この時点でお互いに理解し合えないと思ったら、買うのを辞めるべきだという。
ワタクシ、未だに実は借家住まいです。笑
マイホーム論者ではありません。
否定する気も別にありません。
しかし、マイホーム購入という人生最大の決断を失敗しないためにも、家が欲しいと思ったのなら、間取りやハウスメーカーの勉強だけではなく、本書のような書籍を読んで勉強して欲しいと思います。笑
ライフサイクルコストはもちろん、最後に解体するトータルコストまで考えることをオススメします。
世間では空き家が多いことが問題になっています。
なぜそうなったのか。
貴方が建てる家は将来大丈夫ですか?
とても様々と考えさせてくれる内容でありました。
32 th in May / 137 th in 2023