孫正義秘録 / 大下英治


孫正義は、世界中の誰よりも、インターネット関連ビジネスに投資してきた。その数は、インターネットインフラからコンテンツに至るまで、1300社におよぶ。網羅していないところはない。つまり、インターネットの将来像が最も見据えている経営者といっても過言ではないという。

私も何冊も孫正義関連を読みましたが、全く同感です。

本書では東日本大震災後「3・11」は、第二の敗戦と称し、東京電力福島第一原発事故という国難に対し、電光石火の果敢な行動と実戦的発信をおこなったことについて大分触れていいます。

 「脱原発の旗手」「100億円の寄付」が注目を集めたが本質はそこにはないという。

「3・11直後から暴かれた、この国の構造的欠陥、パワーエリートたちの誤りを知ったのなら、政策転換を迫るのは国民の一人として当然の責務である。地震、津波の被害に追い討ちをかけた原発。これだけの苦境、絶望に打ちのめされている被災者の方々を目の当たりにして、何も行動を起こさないのは、後世への罪である」

大震災と原発事故直後の行動は、危機対応に慌てふためき、責任回避に終始した政府や東京電力経営陣を凌駕して素早かった。

これはメディアで報じていたので覚えているが、携帯ネットワークの回復に全力を注ぐと同時に、国内向けSMSを無料化し、被災地に対しては、被災したユーザーへの支払い延長、携帯電話貸与、18歳未満の震災孤児ユーザーへの携帯電話無償化策などを震災翌日から打ち出した。

これは知らなかったが、自分の地元九州の県知事何人かに声掛けをして了承をもらい、福島から30万人を避難させようとしていた行動があったという。

これも本書ではじめて知ったが『再生可能エネルギーの固定価格買取制度』が閣議を通ったのが、なんと2011年3月11日の午前中だったという。

新しいエピソードを知れてよかったことはもちろんですが、

本書の最初でこんなことが書かれてありました。

この国に、孫正義があと5人いたら、

間違いなく〝革命〟が起こるであろう。

あと2人でも十分でしょう。笑

そんな風に思えるような内容でございました。笑

30 th in May / 135 th in 2023