無理ゲー社会 / 橘玲


軽そうなタイトルのわりに、内容はヘビーでした。笑

「知能や努力」により成功できる社会では、知能格差が経済格差に連動しやすい。現代を生きる多くの人が、この世界を攻略不可能な「無理ゲー」だと感じ始め、その絶望から「安楽死」や「尊厳死」を望む人達が多くなる。

その一部のネガティブな人間の思考や行動により、世間を騒がせるような事件が起きたり、そんな事柄について社会が注目することにより助長する。

誰もが自分らしく生きる権利はあるはずなのに、生きづらさを感じる人たち。自分が自分らしく生きている裏には、誰かの犠牲が存在している。

「負の所得税」について触れていた。

所得が定められた水準を下回った場合、給付金を受けられる。所得税は所得の多さに応じて税金を支払う。「負の所得税」は、所得の少なさに応じてお金をもらえる。このため「逆所得税」とも呼ばれ、所得格差を是正する措置のひとつと考えられている。

負の所得税の場合、収入の低い人々にのみ給付を行うため、財源確保の観点ではベーシックインカムより実現の可能性が高い。 しかし大きなデメリットが存在する。負の所得税が労働意欲の減退につながる。

少し現実的で無いような気もしますが、生活保護を不正受給したり、ベーシックインカムよりは、少しまともかも知れませんね。笑

著者は最後にこのような言葉で締めています。

日本の若者たちは、人類史上未曾有の超高齢社会のなか、増えつづける高齢者を支えるという〝罰ゲーム〟を課せられ、さらに100年を超えるかもしれない自らの人生をまっとうしなければならない。この状況で「絶望するな」というのは難しいだろう。

それにもかかわらず、きらびやかな世界のなかで、「社会的・経済的に成功し、評判と性愛を獲得する」という困難なゲーム(無理ゲー)を、たった一人で攻略しなければならない。これが「自分らしく生きる」リベラルな社会のルールだ。わたしたちは、なんとかしてこの「残酷な世界」を生き延びていくほかはない。

100歳まではとても行きれるとは思いませんが、なんとか生き延びるために精進しようと思います。笑

24 th in May / 130 th in 2023