孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学 / 板垣英憲


孫正義が創業してから病魔におそわれ闘病中、4000冊の本を読み、退院した後どのような経営方針で望むか、経営の法則として作ったという漢字25文字。「孫の二乗の法則」

道天地将法
頂情略七闘
一流攻守郡
智信仁勇厳
風林火山海

1行目は「理念」をしめすという。
「道」志を立てる
「天」天の時を得る 
「地」地の利を得る
「将」優れた部下を集める
「法」継続して勝つ仕組みをつくる

2行目は「ビジョン」
「頂」ビジョンを鮮明に思い描く
「情」情報を可能な限り集める
「略」戦略を死ぬほど考え抜く
「七」7割の勝算を見極める
「闘」勝率7割と見たら果敢に闘う

3行目は「戦略」
「一」1番に決定的にこだわる
「流」時代の流れを見極め素早く仕掛ける
「攻」あらゆる攻撃力を鍛える
「守」守備力を鍛えあらゆるリスクに備える
「群」単独ではなく集団で闘う

4行目は「将の心得」
「智」あらゆる知的能力を磨く
「信」信頼に値する人物になる
「仁」人々の幸せのために働く
「勇」闘う勇気と退く勇気を持つ
「厳」時として部下に対し鬼になる

5行目は「戦術」
「風」動くときは風のように素早く
「林」重要な交渉は水面下で極秘に
「火」攻撃は火のように激しく
「山」ピンチでも決して動じない
「海」勝った相手を包み込む

常にこの「25文字」を頭に思い浮かべ、何回も自問自答を繰り返しながらチェックし、進むべき道とビジネスのありようを決断するのだという。

25文字の解説だけではなく、孫正義の生い立ちから始まる軌跡と、リーダー論についてとても深く語られています。エピソードに関しては前に読んだ本とかぶっている内容は結構ありましたが、印象的なエピソードがありました。

こんな涙ぐましい話もある。

人気漫画『巨人の星』のなかで、主人公が子供のころ両腕にバネのギプスをはめていたという話が出てくる。孫正義は、バネのギプスでは腕に喰い込んで痛いので、自転車のチューブを使って同じことをやってやろうと考えた。古いチューブを町の自転車屋でもらって、それで両腕を縛り、その上にパジャマを着て寝た。

ウーン、ウーンと唸りながら、汗びっしょりになって気張っていると、兄が心配して母を呼んだ。パジャマを脱がしてみると、チューブだらけである。

驚いた母から、「正義、なんばしよっとか!」と怒られてしまった。

このエピソードはほんの一握りですが、幼少の頃から、勉強に関する貪欲さから始まり、行動力や説得力。凄まじい人間だということが、他書同様とても感じ取れる内容です。

なにもかにも、とても真似できるレベルではありませんが、本書でも推奨していた、この漢字25文字を携帯電話の待受にし、孫正義の爪の垢を煎じて飲むつもりで、忘れないようにしたいと思います。笑

20 th in May / 126 th in 2023